G杯 2018

第39回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権 大会結果報告

2018-01-27

大会結果

大会

第39回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権

主催

株式会社 がまかつ

開催日

平成30年10月8日(月・祝)

開催地

愛知県田原市 堀切海岸

14度目の挑戦で悲願の初V!
機動力を生かした釣りで頂点へ

米田和人選手(44・高松海岸)が脚を生かした釣りで、昨年5位入賞から一気に表彰台の頂点に駆け上がったー
「第39回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」(主催・株式会社がまかつ)が10月7日、8日に愛知県田原市の西ノ浜海岸で開催された。新潟・柿崎中央海岸、静岡・福田海岸、石川・高松海岸、鳥取・弓ケ浜など全国5会場から予選勝ち上がりの30選手(シードを含む)が参加し、釣りあげたキスの総匹数を競った。
8日午後から行われた決勝戦は予選通過の6選手が向かい風のなか1時間半戦い、1色付近から丁寧に食いを誘った全国大会5度目出場の米田選手が9匹釣り猛追の山田直樹選手(44・福田海岸)に1匹差で競り勝ち、悲願の初優勝を飾った。石川県出身の優勝は初めて。3位には重量差で第35回大会(2014年・石川・高松北部海岸)優勝の伊藤貴之選手(41・大磯海岸)が入った。昨年優勝の渡辺慎二選手(56・シード)は予選3回戦の追い上げが届かず敗れた。

【ヒーロー 米田和人選手】

天笠充選手 顔写真

父親から受けた釣りの手ほどき
釣りの原点 家族の支え

三河湾に浮かぶ篠島、野島を見ながら、予選3回戦の「波口で連掛け」を参考に決勝戦も近投スタート。1投目からキスの顔を見て「楽になった」と遠投する選手をかわし、サラ場を求めて約150m区間のエリアで移動を繰り返す。

1色付近から時間をかけて集中力でサビく。「波を見て少しヨレた所は必ず(仕掛けを)通す」。2連で掛かってもすぐ移動する。「今回はサラ場のほうが釣れる」と読んだからだ。18回の投てきで5回の移動。エサのイシゴカイは「動きがいいから」と尻尾を使い、ハリス部まで刺し上げるなど状況判断の確かさに加え、脚を使って丁寧に攻める作戦が成功した。悲願だったG杯を手にしたお立ち台では、あふれ出そうになる涙を必死にこらえたが、表彰後、石川から一緒に参加した仲間から「おめでとう」の言葉に「感無量です」と声を詰まらせた。

釣りは小学生のころ父親の良之さん(76)に手ほどきを受けた。中学生になると「地域の小さな大会に一人で参加し優勝したこともある」ほど上達。それも「釣りが大好きだったから。父親は釣りの原点です」と誇らしげに話した。自身のスキルアップを目指し「数釣りに力を入れている」手取投友会に所属したのが28歳。「数釣りといえばG杯の印象が強く、いつか勝ちたい」と地区予選に挑戦。昨年は全国大会4度目の出場で5位入賞。だが目指すのは、当然「優勝」だ。地区予選14度目の狭い関門を突破し、今年5度目の全国大会で悲願だった目標を達成した。「クラブの全員に感謝です。もちろん家族にも」。

表彰後に「妻(律子さん・42)にメールで優勝を報告したが信じてもらえず、写真を送ると、おめでとうーと返って来ました」。帰宅すると長女の渚紗さん(13)、次女の春花さん(11)が声をそろえて「お父さんすごい」と笑顔で迎えた。「本当にうれしかった。家族の支えがあってこそです」。感謝の思いを口にした。来年は「やはり一番高い所を狙います。基本に忠実で、どんな状況でも対応できるよう頑張ります」。行動力、コンディションの読み、判断でつかんだ勝利を来年に繋げてほしい。

【竿】コントロール性能、感度抜群!「この先手放すことはありません」
がま投 競技スペシャル II 33号 4.05m

初代の「がま投 競技スペシャル 33号」を使っていて、3年ほど前に「新しいほうがよく飛ばせるし、投げやすい」と思って迷わずに購入し、メイン竿として使っています。特にコントロール性能がアップしており、釣り人が密集した競技大会でも安心して投げられます。コントロールは本当に大事です。決勝戦では近投でしたが予選の遠投時でも振り抜けがよく、キスのアタリの感度も申し分ありません。近投では穂先の多少のハネ返りを気にしましたが、竿を少し斜めに倒して道糸を気持ち弛ませることで解消します。
昨年全国大会5位入賞、今回は優勝したことから力強い味方です。この先手放すことはありません。ずっと持ち続けます。

【ハリ】キープ力、掛かり抜群の競技仕様
「オールマイティーに使え、1番信用できる」
T1 競技キスSP(スペシャル) 5号

もともと「競技スペシャル」は好きなハリで使っていました。引き釣りには最適なハリでした。ただスローな釣りではバラシが気になり、一時は違うハリを使っていたのですが「ナノスムースコート」になり、素材が変わったのか少し硬くなったように思えます。触ると「硬いな」と実感し、昨年から再び使いだして全国大会5位に入りました。今も「T1 競技キスSP」一本です。
キープ力があり、掛かりも抜群です。キープ力があることで、スローな釣りにもトラブルなく使えます。
いつも4、5、6号を準備していますが、通常は「5号」がメインで、ピンギスから良型までオールマイティーに使えます。
1番信用できるハリです。

【渡辺選手 プロフィール】
米田和人(よねだ・かずと)
1974年(昭49)8月15日生まれ、44歳。石川県加賀市在住。会社員。
キス釣り歴25年。ホームグラウンドは片山津海岸、塩屋海岸。手取投友会、石川鱚酔会所属。第38回大会5位入賞。

談話

2位・山田直樹選手の話
まさか(全国大会)初出場でここまで来られるとは思わなかった。うれしいです。最初、投げたおすつもりで遠投しましたが釣れないし、高切れもありました。試しに手前で仕掛けを置いたら1匹、もう1回試したら3連と釣れたので、手前を攻めることにしました。波口の攻めが成功しましたが追加ができず8匹で終わってしまいました。それでも思う存分やることができました。来年は会場が決まれば下見もして頑張ります。もう一つ上へ行きたいです。
3位・伊藤貴之選手の話
(3位は)悔しいですねえ。でも自分の好きな釣りで遠投を貫き通したので、まあ満足しています。予選の3回戦が遠投で釣れましたのでそのイメージを引っ張り7色半ほど投げて釣りました。いきなり根掛かりしたのであとは移動したり、投げる位置をずらしたりもしました。途中で2回ほど手前に打ちましたが釣れませんでした。周りの状況を見てそれに合わせるように釣ることも重要と思いました。来年は練習をして、もう少し適応力もあげて頑張ります。
矢野勝彦審査委員長の話
海の状況で会場を堀切海岸から伊勢湾に面した西ノ浜海岸へ移して行いました。強風と波の高いなかでの戦いとなりましたが、予選で30匹以上釣る選手が出るとは思いもしませんでした。数が釣れるときは手返し勝負ですが、今回のような厳しい状況では選手自身の引き出しからいろいろな技術を出して釣る様子が見られて面白かったです。技術が向上しています。潮が濁っていたことから大半の選手がエサにイシゴカイを使われていました。チロリが大好きなヘダイや他魚対策として良かったのではないでしょうか。
優勝された米田和人選手の動いて釣る行動力はすごかったです。2位の山田直樹選手はホームだったとはいえ全国大会初出場でよく頑張られました。3位の伊藤貴之選手はパワフルな釣りで、遠投で広範囲を探っておられましたが、先の台風の影響で魚がいなかったのは残念です。来年はこの3選手がどんな釣りを見せてくれるか楽しみです。

決勝戦

順位 No. 氏名 地区 合計尾数 合計重量(g)
優勝 22 米田和人 高松海岸 9 194
準優勝 18 山田直樹 福田海岸 8 141
3位 20 伊藤貴之 大磯海岸 1 26
4位 6 村山賢二 大磯海岸 1 7
5位 5 上井哲男 福田海岸 0 0
6位 28 榛村勝巳 福田海岸 0 0

予選結果

【A組】
No.氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計
尾数
合計
重量
順位
第1エリア第2エリア第3エリア
1新保 誠柿崎中央海岸2125  
2渡辺慎二シード選手910524  
3長澤 昇弓ヶ浜118221  
4駒澤之也シード選手515424  
5上井哲男福田海岸1412430 1
6村山賢二大磯海岸713828 2
7益田清明大磯海岸0202  
8渡辺史緒高松海岸83314  
9安部川紀彦福田海岸117220  
10香林和幸高松海岸813122  
【B組】
No.氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計
尾数
合計
重量
順位
第2エリア第3エリア第1エリア
11清水浩之弓ヶ浜5229  
12石渡 元福田海岸3003  
13鈴木 剛柿崎中央海岸46616  
14安田多佳男大磯海岸2114  
15谷沢広芳柿崎中央海岸110617  
16西向雅之柿崎中央海岸116320  
17髙橋竜也大磯海岸103720  
18山田直樹福田海岸7121231 1
19大野正浩福田海岸63413  
20伊藤貴之大磯海岸671023 2
【C組】
No.氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計
尾数
合計
重量
順位
第3エリア第1エリア第2エリア
21佐藤清隆福田海岸67114  
22米田和人高松海岸87621 1
23小島健治大磯海岸47516  
24川上昭一弓ヶ浜2125  
25岡本 哲柿崎中央海岸33410  
26池田裕貴高松海岸97218  
27本間 剛シード選手48214  
28榛村勝巳福田海岸1027195142
29篠原孝志大磯海岸1063193893
30高野 孝弓ヶ浜3429  

※敬称略

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