G杯 2023

第42回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権

2024-01-25

大会結果

 

 

第42回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権

開催日

20231210日~1212

開催地

高知県 沖ノ島

参加選手

38名

審査方法

釣り上げた25㎝以上のグレの総重量にて決定

 

 

 

 

沖ノ島は風の島と呼ばれるほど風が強く吹くエリアで11日、12日はその名の通り、風が非常に強い状況下での競技になった。さらにグレの本格シーズンへ向け水温が下がり始め、喰いも順調という近況だったが、直前に水温が20度以上になり、一転して喰いが悪くなるという状況に。ただし、いかに自然と対話しながら釣るかというのが競技の真髄であり、厳しい状況の中ではあるものの、全国から選ばれた選手の釣果が期待された。

 

 

 

 

 

11日は本来のスケジュールなら予選リーグ4試合のみが行われる予定だったが、悪天候が予想されたため安全を第一に考慮し、11日に前倒しする形で予選リーグを3試合とし、準々決勝までを行うこととなった。まず予選リーグは5組に分かれて競い、各組の上位1名と各組2位の中から上位3名の計8名が準々決勝戦へと進出する。試合時間は100分(50分ハーフ)で勝敗は25cm以上のグレの総重量で決定される。

予選は熱戦があれば神経戦もありという展開となった。なかでも甑島予選代表の福田浩介選手は合計7,700gの釣果を上げ、注目を浴びた。福田選手はタナが2ヒロの固定ウキ仕掛で流していくという釣り方。タナが少し深そうと判断すれば少しシモらせ仕掛を入れていき、それでもダメなときにはタナを上げ、1ヒロほどで入れていくという釣りを展開。「いかにフワッと沈めるかを念頭において、2ヒロまでで結構喰ってきたりしたので、面白い釣りができたかなと思います」と話していた。予選後、選手たちは沖ノ島の母島港に集合。0尾という結果もある中、勝ち上がったのは山本雅弘選手(徳山予選)、坂上遼真選手(日振島予選)、餘家慎二選手(日振島予選)、中司亮選手(米水津Ⅰ予選)、幸森大輔選手(米水津Ⅱ予選)、宮本光広選手(串本大島予選)、福田浩介選手(甑島予選)、丸山晃選手(シード)の8名。

これら8名の選手が準々決勝への舞台へと繰り出した。強い風や喰い渋りに対し、いかに1尾を引き出すかがテーマとなったが、山本選手と坂上選手は釣果なしで予選の勝ち数の多い山本選手が勝ち抜け。中司選手と餘家選手も釣果なしで、これも予選結果で中司選手が勝利。幸森選手と宮本選手は1尾ずつの釣果だったが、190gの重量差で幸森選手に軍配。福田選手と丸山選手は福田選手が1,590gを釣って勝ち上った。厳しい戦いとなったものの、山本選手、中司選手、幸森選手、福田選手の4名が翌日の準決勝へと進んだ。

「東の風が10m以上ずっと吹いている状況で、00という結果が特に準々決勝にあって、残念ではありましたが、予選に関してはこの天気の割にはそこそこ釣果があったのではないかと思います。」と西森審査委員長がこの日を総評。

 

 

 

 

12日の準決勝は見応えのある熱戦が展開された。

 

山本選手と中司選手の対戦は、早々に中司選手が40cmクラスを仕留めた。「上がってすぐ30mほど沖に湧きグレがバシャバシャとしているのが見えて、グレだろうなと思いながらもすぐ気配がなくなったので、手前を釣っていました。でも、沖のポイントにまだいるような気がしたので、50mくらい遠投して、ゆっくりゆっくり巻いてくるとコツコツってきましたね」と中司選手。

普段はあまりそのような釣りはしないということだったが、首尾良く1尾目を確保。手前も釣りながらときどき沖に投げて、もう1尾を前半に追加した。

場所交代した中司選手はまた沖に湧きグレを発見。しかし7080mと距離があり、風も強い。「風の止み間を待とうと思い、510分釣りをせずに待機しました」。そう話してくれた中司選手、風がほんの束の間止んだ瞬間にここぞとばかり力いっぱい遠投しゆっくり引いては誘う。そして回収しようかなというタイミングでヒットしたのが35cmほどのグレ。ただし高場なのでタモが届きづらく取り込みが大変だった。

その後は風もどんどん強くなって、遠投が不可能に。手前のポイントも大きな波で仕掛が安定せず釣りにならない。釣りを中断しながら風が止むのを待つ中司選手。対する山本選手は竿を曲げるもののカワハギなどにより、グレは不発。

結果、風が息継ぎをした一瞬のタイミングをつき、沖の湧きグレを仕留めた中司選手が見事に勝利した。

 

決勝トーナメントは準々決勝、準決勝、決勝の順で行われた。試合時間は予選と同じ50分ハーフの1時間40分制。勝敗は25cm以上のグレの総重量で決定される。前日とは打って変わって北西風が吹き荒れる一日になり、強い風に道糸を取られたり、仕掛のコントロールに苦労する選手が多々。一転して厳しい戦いとなった。ただそんな中でも門野選手は準々決勝で4尾を仕留め3,220gを記録した。
準決勝に勝ち上がったのは、丸山選手・門野選手、林選手・荒川選手の4名。

丸山選手・門野選手の対戦は「姫島」で行われた。喰いが厳しい状況でお互いに苦戦しつつも、丸山選手が何とか280gを仕留め勝ち上がった。規定サイズの25cmをギリギリ1mm超えるサイズだったが、サラシが出て少し浅いポイントをグレがいないかと探ってみると「ポンときました」という貴重な1尾だった。
林選手・荒川選手は「養殖場1番」で対戦。荒川選手は00のウキを用いてPEラインに7mのロングハリスを直結し、繊細にしかもくまなく探りながらグレを引き出していく緻密な釣りを実践。グレが潜んでいると狙った潮筋をていねいに探り、じわりと仕掛を張りながら流していき良型を連発した。林選手は後半に1尾仕留めたが、結果4,110g対990gで荒川選手が勝ち上がった。

 

 

 

 

もう一方の準決勝戦は幸森選手と福田選手の対決。足元から出るサラシの払い出しに乗せる形で岸近くを2ヒロの固定仕掛で攻めていく福田選手。アタリ自体は結構あってカツオやイサキなどがヒットするものの、グレはなかなか釣れない。

幸森選手は半遊動仕掛。ウキは0でオモリは打たず、サシエをゆっくりと落とすような感じで攻めていく。状況は福田選手と同様な展開だったが、場所を交代する少し前に潮が変わりアタリがさらに頻繁に出るようになった。アワせて切られることも続出。「全部チモト切れなんですよ。尾長かもと思い、仕掛を替えようかなとも考えましたが、競技時間は短いですからね。さらに場所替えしてもまた何発も切られて…。」と幸森選手。そうした展開で後半に何とか1,010gのグレをヒットさせ活路を開いた。

 

 

 

 

決勝は中司選手と幸森選手の対戦。中司選手は第35回の覇者、幸森選手は第28回と第34回の二度G杯チャンピオンの座に付いており、注目の両雄対決となった。舞台は風裏になる養殖場1番。

 

「ここは予選の3試合目で上がりましたが、釣れなかったんですよ。だから厳しいだろうなと思っていたので、1投ずつ丁寧に釣ろうと、マキ餌の届く範囲や、風が止んだり追い風になればちょっと遠投もしてみたり。基本は際というか岸目、シモリ上など、どこかで喰ってくれないかなという願いを込めて釣っていました。何回かやられましたけど、同じように釣り続けるとモンスター(アオブダイなど)がくるかなと思ったので…。イスズミかグレかというのが12回ありました。チモト切れしていたので、尾長の小さいのがもしかしたら喰っていたのかもしれません。」と中司選手。

 

幸森選手も一度グレっぽいアタリが出て大きく竿を曲げたが、鈎外れ。「あれはグレでしたね。あの1尾があれば…。」と試合後に話してくれた。

両者、際や沖目を探ったり、試行錯誤の釣りが展開されたが、水温が高い影響もありイスズミやアイゴ、スズメダイ系などの餌取りが活発でサシ餌がグレの口まで届かなかったのか、釣果を得ることはできなかった。結果は00のまま終了時刻となり、規定により前試合(準決勝)の釣果が上回る中司選手が優勝となった。

試合終了直後は少し実感が湧かない様子の中司選手だったが、表彰式後は「これまでの苦労や悔しい経験がここで実って良かったです。来年はシードをいただいているので、連覇できるよう頑張ります」と喜びを話してくれた。

 

 

 

優勝 中司亮

準優勝 幸森大輔

3位 福田浩介

※敬称略

 

 

 

 

中司選手のコメント

沖ノ島は基本的に深く入れずに、浅く釣るイメージがあったので、タナも2ヒロから2ヒロ半くらいをイメージしながら釣りをしていました。優勝が決まったときはお互いに釣果がなかったので喜びがあまり表現できなくて…。でも帰りの渡船に乗っていろいろ思い返していると段々実感が沸いてきました。来年は優勝者としての行動や発言など模範となるようなことを意識しながら釣りでも負けないように今度こそ連覇できるよう、さらにV3目指してがんばりたいと思います。

 

 

 

 

幸森選手のコメント

ここで喰うであろうというポイントでなかなか喰わなかったですね。自分はあまりタナを決め込まないで、どこで喰ってもいいように釣っていますが、沖ノ島は独特で普段しない釣りですから、少し苦戦しました。準決勝は後半で何とか1尾仕留め、ホッとしました。決勝のときはグレっぽいアタリが出て掛けましたが鈎外れ。その1尾があったら…と思います。結果的には正直言うと残念です。来年はどこで開催されるのかはまだ分からないですけど、ぜひとも優勝を狙いたいですね。

 

 

 

 

福田選手のコメント

ホームの甑島と同じ磯と捉えていつもと同じ仕掛で通そうと思って釣っていました。それが予選での良い結果につながったのかなと思います。仕掛をあまり入れず、2ヒロくらいまでのタナを重点的に攻めて、あとはどこにガン玉を打って、いかにフワッと落としてやるか、そう考えながら釣っていたので、良かったのかなと思います。3位は少し残念ですが、来年はせっかくシード権をもらったので、てっぺんを目指して頑張りたいと思います。

 

順位ゼッケン氏名代表会場
優勝8中司 亮米水津Ⅰ予選代表
準優勝24幸森 大輔米水津Ⅱ予選代表
第三位12福田 浩介甑島予選代表

決勝戦

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
8中司 亮米水津Ⅰ予選代表00
24幸森 大輔米水津Ⅱ予選代表00

※ともに釣果なしのため、競技規定に従い、前試合(準決勝)の釣果を決定。

3位決定戦

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
34山本 雅弘徳山予選代表00
12福田 浩介甑島予選代表00

※ともに釣果なしのため、競技規定に従い、前々試合(準々決勝)の釣果を決定。

準決勝1組

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
34山本 雅弘徳山予選代表00
8中司 亮米水津Ⅰ予選代表2,7003

準決勝2組

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
24幸森 大輔米水津Ⅱ予選代表1,0101
12福田 浩介甑島予選代表00

準々決勝1組

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
34山本 雅弘徳山予選代表00
16坂上 遼真日振島予選代表00

※ともに釣果なしのため、前試合(予選)の規定に従い、釣果を決定。

準々決勝2組

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
31餘家 慎二日振島予選代表00
8中司 亮米水津Ⅰ予選代表00

※ともに釣果なしのため、前試合(予選)の規定に従い、釣果を決定。
予選規定の組内順位→勝ち数→ポイント→重量の順に優先度を決定し、勝者を決定。

準々決勝3組

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
24幸森 大輔米水津Ⅱ予選代表9001
29宮本 光広串本大島予選代表7101

準々決勝4組

ゼッケン氏名代表会場合計重量(g)合計尾数勝敗
12福田 浩介甑島予選代表1,5901
20丸山 晃シード選手00

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