G杯 2014

第35回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権 大会結果報告

2014-01-28

大会結果

大会

第35回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権

主催

株式会社 がまかつ

開催日

平成27年6月7日(日)~6月8日(月)

開催地

石川県かほく市 高松北部海岸

自己流20年の地道な努力実る!
予選落ち繰り返すもあきらめず

全国大会初出場の伊藤貴之選手(37=神奈川大磯海岸)が、幸運に実力を上乗せして悲願のG杯を手にしたー台風の影響で順延されていた「第35回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」(主催 株式会社がまかつ)が6月7、8日に石川県かほく市の高松北部海岸で開催された。全国7地区の予選を勝ち抜いた34選手(シードを含む)が参加、釣ったキスの総匹数を競った。好天に恵まれた8日の決勝戦は、12時20分から予選勝ち上がりの6選手が1時間半戦い、1番クジで中央付近に入った伊藤選手が1投目の3色半付近でいきなり6連、4連掛けで早々に抜け出て10投で15匹、6匹の猪熊洋典選手(43=静岡 福田海岸)に大差をつけ初優勝した。3位には、吉野海洋選手(24=神奈川 大磯海岸)が5匹同数の5g差で入った。なお、「第36回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」は、10月4、5日に徳島県 小松海岸で行われる。G杯全国大会の同種目が1年に2回開催されるのは初めて。

【ヒーロー 伊藤貴之選手】

伊藤貴之選手 顔写真

決勝戦は好きな遠投釣りを封印し、あえて3色半付近を攻めて勝利を呼び込んだ。「うれしい。信じられない気持ちです。運がよかったとしか言いようがない」。お立ち台の中央に立った伊藤選手は喜びの興奮を一気に言葉にした。
大会は台風接近で昨年秋から約8カ月ほど順延されて開催。予選は「猪熊選手が遠投で連掛けしたのを見て」遠投で挑み17匹で通過。決勝は幸運の1番クジ。中央付近に入り、遠投する選手が多い中、イシゴカイをエサに近場の駆け上がりとかけ下がりを攻めた。1投目で6連、2投目が4連。北へ移動し2連と開始30分で大きくリード。
中盤は食い渋ったが、終了10分前には「最後の勝負」と細仕掛け(ハリス0.6号、モトス1号、間隔40cm)でハリを「F1キス3.5号」の5本に替え、トドメの2連掛けで逃げ切った。
G杯予選は「7、8回挑戦した」が届かず、今回の予選も一歩届かず6位。ところが「2位の人が欠場で繰り上がり出場」。全国大会出場の道が開けた。
生まれは広島県。子供のころは「チヌを釣りたい」と思い、何度も挑戦したが警戒心の強い魚だけに難しい。中学生のころ「キスなら簡単に釣れる」と始め、立ち寄った書店で「必釣 投げ釣り専科 実践釣りテクニック」(松本恒雄著、寺沢守監修)を手にし「キス釣りってこんなに奥が深いのか」と、その内容に衝撃を受けた。その後「瀬尾捷征さん(G杯4度優勝)の本も読み、練習を繰り返し、仕掛けもいろいろ作って挑戦」。すべて自己流だが、20年の地道な努力が幸運を引き寄せ「いつも予選落ち」を返上し34選手の頂点に立った。
「技術は皆さんより劣っていると思ってますが、大会まで練習を続けて頑張ります」。伊藤選手は、控えめながらきっぱり言い切った。

【竿】釣っていて楽しい!
がま投 競技スペシャル 35号 4.05m バランス抜群!

遠投して釣るのが好きなので、硬いモデルの35号を使っている。パワーがあって飛距離を出すのには申し分ない竿だ。それに、投げるときオモリを載せやすく、きれいに曲がってキスのアタリも取りやすい。気持ちのいいアタリが出るから釣っていて楽しくなる。
もう4年ほど使っているが、手に合った竿だ。少し重い気もするが、バランスがいいから負担にはならない。「がま投 競技スペシャルII」は改良されて軽くなっているようだが、私は癖もなく投げやすいこの竿を、これからも大事に愛用していきたい。

【鈎】ハリ先鋭く掛かり抜群!
キススペシャル 金 5号 あらゆるキスのサイズに対応できる

試し釣りで魚のサイズがばらばらだと感じた。繊細な釣りが要求されると予想して、あらゆるサイズに対応できる「キススペシャル金 5号」を選んだ。特にハリ先が鋭いから掛かりは抜群だし、それにハリ自体がしっかりしているから変形しにくいのが強み。扱いやすいこともあり、トーナメントでは信頼して使っている。

【鈎】エサ持ち良くハリ掛かり抜群!
F1 キス 3.5号 大きい魚でも確実に取れる

予選3回戦と決勝戦の終盤で食いが渋くなったときに使った。決勝戦の残り時間10分で2匹掛けたのはこの「F1 キス 3.5号」だった。エサ持ちが良くキスがエサを吸い込むような感覚でハリ掛かりしてくれる。これまでも小型のキスが多い釣り場ではよく使っている。ときどき大きい魚がきても、小バリ(3.5号)でも吸い込むことで確実に取れるからだ。

【伊藤選手 プロフィール】
伊藤貴之(いとうたかゆき)。1977年
(昭和52年)9月4日生まれ、37歳。茨城県つくば市在住。会社員。投げ釣り歴20年。
ホームグラウンドは鹿島灘、房総半島。NSCF千葉協会所属。

談話

2位・猪熊洋典選手の話
予選1回戦の中ほどから遠投に切り替え、3回戦は0匹の苦い結果だったが、重量勝負で何とか決勝へ進んだ。決勝も途中から中距離(5色半)攻めに替え、連続でアタリをもらった。何とか第28回大会(鳥取.浜村海岸)より1段上へ行けましたが、苦労しました。
秋(第36回大会)も全力で頑張ります。
竿=がま投げ 競技スペシャル35号 4.05m ハリ=手返しキス ケイムラパール5号 エサ=チロリ、イシゴカイ。
3位・吉野海洋選手の話
全国大会2回目の出場で、ここ(3位)まで来られたのはうれしいが、やはり1番上を目指したかった。決勝戦は遠投で波が立たない所を狙ったが全く魚が付かなかった。横で伊藤(貴之)さんが釣っていたので、群れが近くにいると思って、すぐ11本バリに替え近投で4匹掛けた。次はこれ以上の釣りをしてリベンジする。
竿=がま投 競技スペシャル35号 4.05m ハリ=A1シロギスファイン4、5号 エサ=イシゴカイ
矢野勝彦審査委員長の話
時期的に少し早く、大会3日前からうねりが入って厳しい状況だったが、選手が持てる技術を発揮して頑張ってくれた。優勝した伊藤貴之選手はポイントをしっかり探り当て、見事優勝に結びつけた。2位に健闘した猪熊洋典選手は技術は抜群だし、今回もトップトーナメンターの実力を見せてくれた。笑顔を絶やさない彼の優しさは魅力だ。秋の大会では勝負に出てほしい。最年少で3位の吉野海洋選手は、予選1回戦こそバタバタしていたが、2回戦から落ち着き、3回戦ではトップの13匹釣っている。9色半飛ばすなど実力は十分あり、将来が楽しみだ。

決勝戦

順位ゼッケン氏名地区合計尾数合計重量
優勝1伊藤 貴之大磯海岸15219g
準優勝12猪熊 洋典福田海岸6164g
3位22吉野 海洋大磯海岸5109g
4位20水上 明大磯海岸5104g
5位29和田 昌孝シード391g
6位32香林 和幸高松海岸241g

予選結果

【A組】
ゼッケン氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計尾数重量順位
第1エリア第2エリア第3エリア
1伊藤 貴之大磯海岸38617 1
2小島 健治柿崎中央海岸0011  
3山村 満也葛野浜3216  
4西向 雅之高松海岸0000  
5真木 志郎葛野浜3216  
6島野 忠寛尾浜海岸0000  
7長澤 昇大磯海岸1539  
8金安 孝一シード6129  
9青塚 和弘柿崎中央海岸1001  
10鬼沢 安二大磯海岸07310339g 
11石田 匠福田海岸0213  
12猪熊 洋典福田海岸37010396g2
【B組】
ゼッケン氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計尾数重量順位
第2エリア第3エリア第1エリア
13清水 浩之高松海岸1001  
14村山 隆シード2114  
15林 信也小松海岸1113  
16太田 健高松海岸1023  
17市野 範安尾浜海岸3104  
18梯 和也シード2002  
19灰野 義則柿崎中央海岸0112  
20水上 明大磯海岸93214 2
21伊藤 守シード0077  
22吉野 海洋大磯海岸531321 1
23時田 健一柿崎中央海岸2057  
24        
【C組】
ゼッケン氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計尾数重量順位
第3エリア第1エリア第2エリア
25山中 文男福田海岸3014  
26宮本 幹治葛野浜0303  
27戸村 貴行葛野浜0134  
28藤岡 克典尾浜海岸0000  
29和田 昌孝シード17614 1
30鈴木 剛柿崎中央海岸3003  
31武市 浩小松海岸0000  
32香林 和幸高松海岸47112 2
33瓜生 浩二尾浜海岸1225  
34村山 賢二福田海岸22610  
35下坂 学福田海岸2024  
36        

※敬称略

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