開催日
2024年8月25日(日)
開催地
富山県神通川
競技時間
7:30~11:30
参加選手
99名
審査方法
鮎の総匹数(オトリ含む)で順位を決定。同匹数の場合は重量の重い方を上位とする。
8月25日、「がまかつ鮎釣り登龍門2024」が富山県神通川にて開催。満18歳以上、45歳以下までの99名が参加。内訳は20歳台が22名、30歳台が42名で鮎友釣りの優れた技術と実績があり、人格、指導力、将来性を兼ね備えた、これからの時代を背負っていくであろう若き釣り人たちが北は岩手県、南は徳島県と全国から集まった。
競技は釣り上げた鮎の総匹数(オトリを含む)で順位を決定し、同匹数の場合は重量の重い方を上位とする。使用する竿はメーカー問わず、ハリはがまかつバリを使用するという規定だ。大会エリアは富山市の新保大橋から有沢橋の間で、徒歩での移動が原則。
今年の神通川は天然遡上が多く、鮎が小さいという状況であったが、8月になってようやく例年並みのサイズまで大きくなってきている。小さい鮎が多いものの、数は期待できるため、時速10尾。うまくいけば、時速20尾もいけるのではないかと予想された。
当初は、予選3時間、決勝2時間の2戦が行われる予定だったが、午後に雷雨の予報が出ていたため1戦のみとし、午前7時半から11時半までの4時間勝負となった。午前6時45分から大会本部で開会式が行われた。その後、選手たちはオトリ3尾を受け取り、ゼッケン番号の若い順に思い思いの場所へと散らばる。
「朝一はやはり水が冷たいので掛かりが悪いですね。押しの強い瀬を手前から攻めていったんですけど、全然掛からなくて。立ち込んでオモリを少し重めの2号で沈めてやるとすぐきました。結構太めの仕掛けでやっていましたが、大きいのがきて持っていた仕掛け全部を吹っ飛ばされました。10mくらいの範囲でずっと粘っていましたが、時間が経過するほどに活発化しましたね」というのは栃木県から参加した米竹直人選手。25尾という釣果だった。
下流の分流で釣っていた岐阜県から参加した村山公一選手は「トロ場でずっと立て竿で泳がせていました。だいぶ魚はいるんですが、あんまり追い気がなくて、2時間くらいボウズで…。後半になってからコンスタントに釣った感じです」。19尾という成績だった。
「空港の前の分流の瀬を釣っていました。膝くらいの浅さの瀬ですね。最初バチバチバチと掛かったのですが、ピタッと止まって、その後は移動してトロ場で泳がせましたが、また元の瀬に戻って釣っていました」というのは群馬県から参加した寺山正行選手。25尾という成績だった。
ポイント選びが大事なのは言うまでもないが、移動するか粘るかで悩む選手も多かった。40尾を超える釣果を叩き出した選手も多く見られ、トロ場を攻めるか、瀬を狙うかも一つの課題だった。前日に試釣した選手は瀬の方がよく掛かるという印象を持っていたようだ。
岐阜県から参加の永冶拓也さんもポイント選びに翻弄された。「朝のうちはあまり調子がよくなかったんで、上へ上がってきて高速道路橋下流の瀬を釣っても掛からず、元気なオトリだけなんとか取って、みんなが歩くような水深20cmくらいの浅いところで座り込んで、立て竿で泳がせて数を伸ばしました。これが後半の時間帯だったのでもっと早く入っていればよかったと…。完全にミスりましたね。先週の下見時とは掛かる場所が全然変わっていました。2年前に8位だったので、リベンジを!と思ったけど惜しいですね。こんな浅い所を必死で泳がせたのは始めてです」。成績は39尾だった。
福島県から参加の羽染孝行選手も浅い場所に移動し、数を伸ばしていた。「最初はチャラ瀬でなくもっと流心でやっていて、40分くらいオトリが替わらなかったんですよ。まずいなと思って、ラインを張り替えてチャラ瀬を狙うようにしました。そこで釣れ続いて数を伸ばせました。10cmほど水位も低くなって状況が変わったのかなと思い、シフトしました」朝のうちは追いが渋いという場面もあったが時間が経過するほどにアユも活発化し、入れ掛かりする選手も多く見られるようになり、白熱の試合が終了。
47尾の釣果で、3位となったのは岐阜県から参加した森正一選手。「本部前の右岸の背肩から入ってヘチをひたすら下りながら釣っていきました。朝のうちはちょっと掛からなくて、1尾取ってからはポロポロと釣れ続いた感じですね。オトリを動かすことを意識してやっていました。鮎を単に引くだけじゃなく上に引き上げたり、スライドさせたり。動かして反応があったのを釣っていくというスタイルです。それで反応がなければ、次に次にと打っていく釣り。拾い釣りに近いですかね。こまめに誘う釣りを心がけました」
釣果48尾で準優勝となったのは愛知県から参加の藤井貴之選手。「今日入った上流の分流の瀬は昨日下見をして感じがよかったんです。右岸側に渡って石のいいところを転々と引き釣りで釣っていった感じです。ポイント的に広く見てピンポイントを攻めました。1尾取れたあとはテンポよく釣れましたね。ハリは全の7.5号。これでバレずにすみました。引き釣りで引いたり止めたり。あと少し緩めたりして釣っていました。朝のうちはあまり掛からない感じでしたが、1尾掛かって釣れるようになり、後半の時間帯で数が伸びていきました。普段はほぼ瀬の中の引き釣りとか瀬の釣りばっかりですね。一番注意していたのはオトリの糸の張り加減。すごく重要視して石のところに置くときは置く、引いて次のところやるときは引く、止める・引く・待つみたいなことを意識しながらやっていました。やっている最中に前アタリみたいなのがゴソゴソくるときは止めておいて、アタリがなくなったときやオトリが少し弱ったとき、掛からないときにちょっと引いてあげる。引いたときに掛かれば、ああ引きで掛かっているなと判断しました。今の気持ちはめちゃくちゃ嬉しいです。うまくいってよかったです。今後もG杯全国大会優勝など競技会で優勝を目標にやっていきたいなと思います」
そして65尾というダントツの成績で優勝したのは福島県から参加した坂内友洋選手。
「ゼッケン95番とスタートの遅い順番だったので、下見した上流も少し考えたんですけど、皆さんが上流に行っていたので、下流側のザラ瀬に行きました。昨日少し下見をしたんですけれども、1時間半くらいで30尾以上釣れました。左岸から右岸の流心側でバタバタ釣れたので、逆に今日は手前の足元の方から探っていきました。けっこう早いペースでいい感じに釣れました。ただ、中弛みがあって、9時頃はあまり釣れなかったですね。最後は残しておいた流心部を攻めると、10分で7、8尾と釣れたので、結構いい感じに終えることができました。今年はG杯地区大会から勝ち上がり、馬瀬川での全国大会に行かせてもらったんですけど、あっけなく予選で敗退したので、来年は2日目(決勝トーナメント)に残って表彰台に立てるよう頑張りたいと思います。釣り方は普段どおりにメタルラインを使って引き釣りをしました。荒すぎず緩すぎずというくらいの場所、群れ鮎が溜まっていそうなところを狙いましたね。バラシが結構あったんですけど、それ以上に掛かってくれました。コンスタントにイメージ通りに釣れたので、それがよかったです」
釣果21尾の岐阜県から参加した和田紗矢香さんはレデース賞を獲得。「今日はすごい辛抱する釣りで同じところをずっと行ったり来たり、上がったり下がったりしていました。膝よりも下くらいの浅いところをずっと泳がせていました。普段から泳がせも引き釣りもどっちもやるんですけど、大会では泳がせたほうが釣果が伸びると教えられてきたので。今回は初めてもらえた賞なので、すごく嬉しいです。これからも楽しんで釣りをして入賞できればいいかなと思います」と笑顔で話してくれた。
順位 | 氏名 | 住所 | 年齢 | 匹数 | 重量 |
---|---|---|---|---|---|
優勝 | 坂内友洋 | 福島県 | 37 | 65匹 | 2,125g |
準優勝 | 藤井貴之 | 愛知県 | 41 | 48匹 | 1,665g |
第三位 | 森正一 | 岐阜県 | 42 | 47匹 | 1,659g |
第四位 | 宇津木仁 | 東京都 | 41 | 46匹 | 1,766g |
第五位 | 宮田克士 | 福井県 | 36 | 46匹 | 1,485g |
第六位 | 清水崇博 | 山梨県 | 37 | 45匹 | 1,798g |
レディース賞 | 和田紗矢香 | 岐阜県 | 37 | 21匹 | 703g |
※敬称略
※オトリ込み