底知れぬ
ポテンシャルの勝利
髙里悟が吠えた
怒濤の“スルスルスルルー”エキサイトライブ
in 高知県鵜来島
たかざと・さとし
「モンパチ」の略称で知られる人気ロックバンドMONGOL800のドラムス&ボーカル。愛称は「サッシー」。ライブツアーや収録などの合間を見つけては竿を出すフカセ釣りフリークで、2013年のG杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権優勝。力強くてよく引く魚をこよなく愛し、スルスルスルルー発祥の地、故郷の沖縄では早くからこの釣りを楽しんできた。1980年生まれ。
デカ尾長グレの巣窟として、デカバン石鯛の聖地として磯釣り師を魅了する高知県鵜来島・水島群礁。
キビナゴをエサに全遊動仕掛けでパワフルファイターを狙い撃つ“スルスルスルルー”のステージは、その南端に浮かぶ丸サゲだ。
本来であれば鵜来島海域イチといわれる激流が複雑に流れるのだが、潮がほとんど動いていない状況に、髙里悟は我夢者アルティメイトの3号をセレクトした。
よりかっこよく力強く
相手がデカい、強いだから楽しい
潮変わりのチャンスにとらえた7kgクラスのブリに笑みがこぼれる
ハマフエフキをがっちりフッキング
ウキやハリに秘策あり
強靱なバットが
主導権を渡さない
足元から張り出す根への強烈な突っ込みにリールシート上のファイティンググリップを両手で握って耐える。3号のバットパワーが真価を発揮する
“スルルー”に求められる
遠投性や操作性が抜群
「足元から根が張りだしている場所では、5号とかで一気に浮かせないと取れないけど、ここは切り立っているので大丈夫。3号を存分に曲げて楽しみますよ。それに潮が動いていないので、細い仕掛けのほうが食いがいい。3号の竿なら8号や10号のハリスでいけますからね」
高場の水島向きに釣り座を構えた髙里は、10号ハリスに軽量なファインタマン16号を結び、キビナゴを刺して釣り開始。潮はごくごくゆっくりと左から右へ流れている。正面から吹き付けてくる風の影響で仕掛けが潮筋からズレないように、マイナス浮力のウキごと沈めていくアプローチだ。
「この竿は細身肉厚設計で軽めだから強風のなかでも扱いやすい。適度の張りがあって、糸が太い仕掛けを使うスルスルスルルーでの遠投性やラインの操作性がとてもいいんですよ」
少しだけ速くなってきた潮に対し、仕掛けを遠投して潮筋の外側から送り込んでいく。するとオープンベールのスプールから気持ちよくラインがはじけ飛んだ。魚の引きに対して竿の曲がりの頂点が後方へスムーズに移りながらじわーっと粘り、余裕をもって起こしてくる。強靱という表現がまさにぴったり。取り込んだのは50cmオーバーのハマフエフキだ。
ファイティンググリップで
やり取りにアドバンテージ
「リールシートの前に凹凸のついたファイティンググリップがあるんですけど、これがいい。ここを握ってやり取りするんですが、手に汗をかいていてもエサで汚れたりしていても滑らないし、しっかり握れて力が入ります」
下腹に竿尻を当てたときのホールド感のよさとともに、このグリップは大物とのファイトにアドバンテージを与えてくれる新機構だ。
満潮を過ぎ潮が逆に流れ始めたときだった。低場に移動していた髙里が今日イチのアタリをとらえた。スピード感あふれる引きを両手だめでがっちりと受け止め、じわりじわりと間合いを詰める。タモに収まったのは7kg級のブリだった。
「ドラグを効かせずにフルロックでやり取りしましたが、魚はその場で頭を振る感じで止まってましたね。竿はまだまだ余裕がありますよ。細いんだけど筋肉がしっかりしている。もっともっとデカい魚を掛けて曲げ込みたいですね」
磯釣りの楽しさを広げてくれるNEWアイテムに、目を細める髙里だった。
3号ロッドで余裕の勝利
“磯のダンプカーの異名を取るハマフエフキ。スピード、パワーともに申し分なし。沖縄名”タマン“、高知では”タマメ“と呼ばれる