GAMAKATSU がまかつ

二並島・東のハナで、大きく曲がるアテンダーⅢを操作し魚とやり取りする北村の背中

がま磯ATTENDERⅢ 2号5m で魅せた痛快パフォーマンス 圧巻のバットパワーがデカ尾長をねじ伏せる

北村憲一in高知県沖ノ島&鵜来島

水温が20度台に上がりエサ取りのタカベやイサキが賑やかになってくるなか、シーズン終盤のデカ尾長を求めて、北村憲一は5月下旬に2日釣りで沖ノ島&鵜来島を攻めた。
尾長グレのスイッチが入る数少ないチャンスをものにし、最後はロクマルに迫る大物をゲット。アテンダーⅢ2号5mの強靱なバットパワーを存分に魅せてくれた。

北村憲一

きたむら・けんいち

松田稔を師と仰ぎ腕を磨く。高知県沖ノ島・鵜来島のデカ尾長をはじめ、高知県柏島や愛媛県日振島の口太狙いにも力を注ぐ。
デカ尾長の自己記録は沖ノ島の二並島・東のハナで仕留めた65.5cm。

特大サイズが見えるという
名礁・二並島の高場へ

沖ノ島の三ノ瀬2番表で、北村が釣り上げた口太グレをタモ入れする瞬間

初日の昼釣りは沖ノ島の三ノ瀬2番表。イスズミの猛攻のなか、良型の口太グレがヒット。アテンダーⅢ2号で一気に浮かせてくる

イスズミの猛攻にさらされた三ノ瀬2番をあとにして、夕釣りで渡礁したのは沖ノ島屈指のデカ尾長の巣窟こと二並島の東のハナ。尾長グレの見える数は海域屈指の半面、波に強くて渡礁率が高いことから連日釣り人に攻められるためスレ具合もトップクラス。足場が高くて仕掛操作も難しく、磯際がオーバーハングになっているため取り込みも難しい。釣りの難易度もまた海域随一の釣り場だ。

先日来、70cmを超える尾長グレが見えているとの情報もあり、特大に期待が高まるなか、左の角からマキ餌を打つ。タカベの群れが一気に集まった。

「尾長の活性が高いときには、タカベは沖に出て行かんのですけど、わっと出て行くいまの時点では、ちょっとこっちは難しいですね」

東のハナの高場に釣り座を構え、アタリを待つ北村

東のハナの高場。船着き側の角に釣り座を構えた。正面に見えるのは柏島地区のビロー島

潮も当て気味で右に流れていることもあり、北村は船着き側に移動してマキ餌を撒く。するとどうだ。すぐに尾長グレが姿を見せたのだ。マキ餌を打ち込むにつれて、その数はどんどん増えてくる。
アテンダーⅢ2号5mに道糸3号、ハリス3号。6-6のウキを固定にして直下にジンタン3号をセット。ハリはMシステム尾長くわせ8号のタックルを組んだ。

釣り開始は午後2時15分。マキ餌を4、5杯打ち込み、尾長グレの動きを見ながら仕掛を投入。マキ餌の中心にサシ餌がくるよう、仕掛を打ち込むタイミングや、ウキとサシ餌を置く位置を調整しながら打ち返していく。

サイズに合わせて曲がるから
竿が弾かず魚が怒らない

2時30分、アテンダーⅢ2号が大きく弧を描いた。
竿尻を下腹に当てて磯際への突進を食い止める。絞り込まれたバットがゆっくりと起き上がり魚の力を奪っている。危なげないやり取りで仲間の差し出すタモに収まったのは51cmの尾長グレだった。

51cmの尾長グレを手に笑みを浮かべる北村

東のハナで仕留めたのは51cmの尾長グレ。体高のある丸々太った1尾だった

「潮が流れていたので仕掛を張ったら矢引きぐらいのタナになるかなと思って最初はウキ下1ヒロで何投かやったんですけど、サシ餌を触っているのに明確なアタリが出ない。ちょっとウキ下が深いのかなと思ってハリスを切って矢引きにして2投目でしたね」

そう振り返る北村はさらに続ける。

「去年発売になった1.75号でも50cm後半をまじえて50cmオーバーをかなりの数釣ってきましたが、2号のほうがやっぱり楽ですね。東のハナは磯際がオーバーハングになっていて強引に起こしにいかないといけないときがあるんですけど、すごく安心感がある。この竿に51cmはちょっと物足りないサイズですが、アテンダーⅢのいいところは魚のサイズに合わせて曲がってくれるので、竿が強すぎてぽんぽんと弾くことがなく、きれいに曲がってくれる。竿が弾くと魚が暴れるし、ハリをのみ込んでいたら切られることもありますが、そんな心配がないですね」

釣り開始から15分の速攻で、本命を仕留めまずは一安心。その後は、尾長グレにサシ餌を完全に見切られる状態が続き、さらなるサイズアップは翌日に持ち越すこととなった。

2日目は水島2番のカベへ
イサキが消えた瞬間にヒット

サシ餌を投入する北村

日目のステージは鵜来島の水島2番のカベ。サシエが鈎からずれないようアンダースローで投入する

2日目のステージは鵜来島の水島2番のカベ。その名の通り断崖絶壁のポイントだ。

マキ餌を撒くとイサキが群がり、尾長グレの姿は見えない。しばらくマキ餌を続けるとイサキの数がますます増えるだけだ。そこで右側のポイントであるトビワタリ寄りにマキ餌を打ってみると、尾長グレが4、5尾見えたが、すぐにイサキまみれになってしまった。

「イサキだらけで、これはヤバいかもしれん」

昨日と同じタックルを組みながらそうつぶやく北村。しかし、闘志は静かに燃えていた。

午前6時30分に釣り開始。10分ほど経つと、前方に見えるシモリ近くで、イサキの下に数は少ないものの尾長グレの姿が見え始めた。ただ、サシ餌を触るのはイサキだけだ。
イサキの少ない磯際を狙ったり、仕掛を打ち込むタイミングをうんとズラしたり、サシ餌を落とす位置を変えたりしてチャンスをうかがう。浅いタナまで浮いてくる尾長グレもいるが、仕掛を入れると沈んでしまうし、イサキが寄ってきても沈んでしまう。

しかし、9時過ぎにやってきた弁当船が幸運を呼んだ。
磯着けした船のスクリューが海をかき混ぜたのがよかったのか、あれほどまでいたイサキが姿を消したのだ。
4杯撒いたマキ餌の中心にサシ餌を置いて落とし込んでいく。グレがゆらゆらするタナで餌が同調した瞬間、鋭いアワセが決まった。

40cm後半のミドルクラスを収めたタモ網を持つ北村

弁当船がきた直後、イサキが消えた間隙を縫って仕留めたミドルサイズ

竿尻を下腹に当てる腰だめで締め上げる。ぎゅーんと粘りながら曲がり込みぐいぐいと起こしてくるのがよく分かる。
取り込んだのは40cm後半のミドルクラス。

「イサキが消えてこれは喰うなってタイミングでしたね。ウキ下は1ヒロです」

さらりと語る北村だが、ワンチャンスで確実に喰わせる精度の高さに関心させられるシーンだった。

バットで締め上げ力を奪う
余裕で取り込んだ59.8cm

再びチャンスが訪れたのは11時20分のこと。一面にわいていたイサキの数が急に減ると、尾長グレが浅いタナに浮上してマキ餌を拾いだしたのだ。中には上下の動きで水面直下まで浮上してくるものもいる。

竿を手に、魚とやり取りをする北村

アテンダーⅢ2号の強靱なバットパワーが尾長グレに反撃のチャンスを与えない

足元左側にマキ餌を4杯打ち、その真ん中にサシ餌を入れてフォールさせていく。ウキがフッと傾いた瞬間に電撃アワセが決まった。
左へ向いて疾走する魚に対し、竿を右に倒して一気に胴で締め上げる。強引にも見えたが、魚の走りは止まり頭の向きを変えたではないか。これぞ2号のバットパワーだ!

海面近くに姿を見せた尾長グレをタモ網へと納める瞬間

執拗な抵抗を繰り返した末に姿を見せた尾長グレ。勝利の瞬間が近づく

そこからのやり取りは、主導権を握ったままで安心感にあふれていた。重量感あふれる磯際への突進も余裕でクリア。半端なサイズではないと思っていたが、タモに入った魚のでかいこと。
磯の上で計測すると59.8cm。
ロクマルにはわずかに及ばなかったが、体高と厚みのある、これぞ水島の尾長グレ!という見事な1尾だった。

がっつり手にしたヘビー級の59.8cmの尾長グレを手に満面の笑みを浮かべる北村

これぞ水島の尾長グレ。体高と厚みのある59.8cmにしてやったりの北村。
唇の皮1枚をとらえているのはMシステム尾長くわせ8号。アテンダーⅢのゴムのような曲がりと反発力は皮切れも抑えてくれるのだ

「アワセのタイミングがとてもよくて、絶対に鈎をのみ込まれていないという自信があったので強引に止めました。最初にああいう形でもっていくと、魚の弱りも早いので取れる確率が高くなる。あとは竿の弾力を生かしてのやり取り。竿がたたかないので素直に魚がついてきましたね。重量のあるグレでしたが、竿はまだまだ余裕で安心感がありましたよ

最高の笑みを見せながら、そう振り返る北村。力強くデカ尾長を獲らせてくれるアテンダーⅢ2号の本領を発揮する釣行となった。