GAMAKATSU がまかつ

鈎にハリスを結ぶ松田

松田稔 30余年の構想 これは釣鈎革命-レボリューション-だ 30余年の構想を経て
ゼロホールが見参
尾長速攻 & 尾長くわせ

MシステムEXのゼロホール部分 NEW

“グレの鬼才”がまたも画期的な釣鈎『MシステムEX』をプロデュース。
新たに採用されたゼロホールは30余年の構想だった。それがついに日の目を見る事となった。さて、そのベールを脱ぐ実釣力はいかに…。

『ゼロホール』とは

鈎には「タタキ」もしくは「耳」と呼ばれる部分がある。このタタキ部が無くなり軸に「0(ゼロ)」型の穴が開いた鈎が「ゼロホール」だ

鈎の図面と各部位の名称図

魚は人間が思ってる以上に賢いんや。魚釣りって一番に邪魔するんは鈎なんよ。でもな、釣りは鈎がなかったら釣れんのよ。でも鈎が主体ではいかんのよ、あくまでもエサが主体であって、その考えをどんだけするかが大事なんよ

竿を手に海を見つめる松田

まつだ・みのる

言わずと知れたフカセ釣り界のレジェンド。“グレの鬼才”の異名をもつ。数々の喰わせるためのスゴ技を編み出すことはもちろん、タックルの開発にも心血を注ぎ、その時代を先取りしたロッドや鈎やウキやラインなどメーカーの開発者と一丸となって世に送り出している。がまかつテクニカルアドバイザーとして活躍中。

タタキが邪魔をするから削って…

がまかつの鈎を手掛けてもう30年くらいになるな。そのときは口太がいっぱいおったんよ。それがな5、6尾釣ったらスカくらうんよ。あんまり釣ると釣れんようになる、あの口太が喰わんようになるんよ。
これはおかしい、なにが邪魔するんかな思て、何回もサシ餌の動きを磯から見てたら、マキ餌はなんの抵抗もなしに喰うんよ、それが鈎に刺したサシ餌は警戒するというか、後ずさりするというかなんよな。サシ餌が不自然な動きをするからかな、といろいろと考えたんよ。そこでひとつの答えが鈎のタタキが邪魔すると考えたんよ。
たぶんタタキが見えとるんでしょう。でもな、タタキがなかったらハリスがくくれんやろ。それで、タタキを削ってだんだん小さくしてとかしたな、それで喰うようになったんや。
それでも気に入らんから、今度はタタキをブチ切ってグラインダーで丸くして溝を彫りこんで鈎とハリスを0.3号の糸で巻いて接着剤で止めたんよ。ほしたら釣れるし答えはやっぱりタタキが邪魔やったんよ。でもな、グラインダーでタタキ削って溝を作るんは手間がかかるんよ。それで喰うのは分かってたんやけど、タタキの無い鈎の構想は一旦遠のいたんよ。

ゼロホール・タタキ・管付の比較

鈎の耳の部分、ゼロホール・タタキ・管付の比較写真

ゼロホール

タタキ

管付

サシ餌がきれいに刺せて
喰い込み抜群!

それから30年くらいゼロホールの構想はずっとあったんよ。それがや、いま現実となったわけや。開発チームもようやってくれましたわ。それまでは沖ノ島(高知県)で、とにかくサシ餌でタタキを見せんようにして尾長を狙えと弟子なんかに言うてきたな。
やっぱりタタキがない分、サシ餌の吸い込みはええんよ。サシ餌を噛んだときに鈎が口に当たりにくいから違和感がなく喰い込むんや。タタキの幅があるとオキアミが上手く刺せんし、餌が主体やいう理論が崩れるんや。それがゼロホールにより解消されたわけや。

形は軸の太さやフトコロ形状や鈎先やらカエシやら試行錯誤で何回も試したけど、いまのMシステムと同じ形に落ち付いたんよ。カラーもそうやな。
鈎に赤いラインを入れる事で魚に鈎の形を認識させん様に工夫しとる。前のMシステムは1カ所だけだったんが、今度はもっと増やしたんよ。賢い魚は、鈎が1本の線で繋がっとると警戒するんよ。そやから色で鈎の線を分断して、鈎として認識しにくいようにしとる。これで鈎の存在を消せるんや。

MシステムEXの特徴説明 MシステムEXの写真

とにかく、ゼロホールの特長はオキアミでチモトを隠しやすい所と喰い込みの良さなんや。餌刺しの重要性が分かる鈎なんよ。
注意点としては結びやな。磯に行く前に何回か練習することですわ。なんも難しないで。がんばって釣りましょう。

鈎の存在を消す事が
釣果に繋がるんよ
あくまでもエサが主体よ

特大のゼロホール鈎模型を前に、熱い解説をする松田

結びを特大の鈎模型を使って解説してくれる鬼才。30余年の構想ということでその熱さはすごかった…

細い軸に穴を開けた
タタキの幅の抵抗がなくなって
吸い込みも素早い

MシステムEXを喰い込んだグレ MシステムEXを喰い込んだチヌ

プロトタイプで吸い込み具合や喰いを各地でテスト。グレもチヌも喰い込みは早かった。抜群の仕上がり…

ゼロホール効果は
自然な形でサシ餌が刺せる

MシステムEXを喰い込んだグレ MシステムEXを喰い込んだグレ

タタキがあるとオキアミの中に隠れない。また隠そうとするとオキアミの形は崩れる

ゼロホールの効果で完璧にサシ餌の中に鈎が隠れる。オキアミが自然な形で保てる

鈎の結び方1鋭く刺さり込み、結び目がズレない

①鈎先側から穴に糸を通し、軸に2周巻く(通す糸は長めに) ②巻いた糸を背中側から穴に戻し、巻きつけ部を強く引き締める ③ハーフヒッチを「2~3回」しっかり行う ④引き締めて余分な糸をカットして完成 鈎の結び方① 完成図

鈎の結び方2エサ通り抜群のスリムな結び

①鈎先側から穴に糸を通し、軸に2周半巻く(通す糸は長めに) ②巻いた糸を再度鈎先側から穴に戻し、巻きつけ部を強く引き締める ③ハーフヒッチを「2~3回」しっかり行う ④引き締めて余分な糸をカットして完成 鈎の結び方② 完成図

鈎の結び方3

①鈎先側から穴に糸を通し、軸に2周半巻く(通す糸は長めに) ②巻いた糸を再度鈎先側から穴に戻し、巻きつけ部を強く引き締める ③ハーフヒッチを「15回程度」行う(1回ごとに糸の差し込み方向を変える) ④引き締めて余分な糸をカットして完成 鈎の結び方③ 完成図
ハーフヒッチのコブ部分にもオキアミをセットし、計3匹セットしている鈎とハリスの写真

ゼロホールはハリス部分にオキアミを複数匹セットすることができる。
ハーフヒッチのコブにより餌がズレず、投入の際も外れにくい。エサ取りが多い場合にサシ餌が残りやすく、サシ餌の沈下速度が遅くなることで撒き餌と同調しやすい。ハーフヒッチは尾長の鋭い歯によるハリス切れを防ぐ役目も果たす。

推奨の結び方を記載しておりますが、その他ご自身の結び慣れた方法でご使用ください。