インジェクションルアーでハンドメイドルアーに挑むということの意味
釣れるとされるサーフェスベイトの特徴として「完全に水面を割らない水面下数センチのレンジを泳ぐことで水面に追い詰められたベイトを演出する」というものがあるが、それ以上に、釣れるルアーは特有の「揺らぎ」がある、というのがルアーデザイナー・赤松拓磨の持論だ。赤松は「揺らぎ」には大きく分けて2つあると考えている。
1つ目は水を逃がしアクションを一瞬だけ破綻させる「揺らぎ」、2つ目は水を纏い一定のリズムでアクションしながらも軌道だけが逸れる「揺らぎ」だ。アヴィックが目指したのは後者。水を逃がす「揺らぎ」は、極僅かにアクションが破綻することで魚のスイッチを入れるが、その「アクションをしない瞬間」が原因で見切られることもある。赤松の目指した「揺らぎ」とは、アクションを止めることなく、一定のリズムで動き続けることで見切る間を与えずに、軌道の変化でバイトさせることにある。アメリカのハンドメイドルアーにインスピレーションを受け、「釣れるルアーとは何か」を追い求めたルアーがこのアヴィックだ。