「硬中硬」「早瀬」「急瀬」「超硬」の4タイプをラインナップ
誰でもセレクトしやすくあらゆる状況に対応するベーシックロッド
田嶋 剛
たじま・つよし
野嶋玉造氏に師事し全国の激流河川を釣り歩く。果敢に攻め入って次々と大鮎を仕留める姿は“激流のスナイパー”と呼ぶにふさわしい。1969年生まれ。群馬県渋川市在住。
長谷川 哲哉
はせがわ・てつや
田嶋氏と同じく、野嶋玉造氏に師事。激流釣りに限らず、チャラ・トロの泳がせ釣りでも繊細な技を披露。“上州のテクニシャン”として名を馳せる。1972年生まれ。群馬県甘楽郡在住。
今までにないカラーリングとデザイン
バレが少なくなる「硬中硬」と「早瀬」
竿の調子は「硬中硬」、「早瀬」、「急瀬」、「超硬」の4タイプなんだけど「硬中硬」は今までの「硬中硬」みたいに張りが強く出ている竿ではないので凄く扱いやすいですね。実際のシチューエーションで考えると初期の小鮎から盛期の鮎まで竿にほどよい反発と粘りがあるので、ものすごく幅広く使えますね。
いま全国的に河川が良い時もあるし、2018年シーズンみたいに雨が多くて増水後の鮎のコンディションが悪くてすぐ身切れしちゃったり、外れちゃったりしますけど、この「スピカ」を持って行っていただくとすごく弾力があってジワ〜っと曲げていくタイプの竿、特に「硬中硬」と「早瀬」は、今日は何でこんなにバレちゃうんだろうなぁっていう時に「スピカ」にパッと持ち替えてもらうと「あれっ? この竿だと、こんなにバレなくなるのか」と思うぐらいの違いが感じられますよ。
長谷川
2人がビギナーから中級者にお勧めしたいのが、扱いやすく全国の河川に対応するという「硬中硬」と「早瀬」だと口をそろえてくれた。
これぞ! がま鮎スタンダードモデル
田嶋
「がま鮎スタンダード」モデルということで過去何十年もテストをやってきているわけだけども、今まさに進化版が完成した感じですね。スタンダードモデルというのはがまかつとしても1年間のブランクがありました。その間も開発をずっと続けていて「これぞ!がま鮎スタンダード」というものが完成しましたね。
「がま鮎スタンダード」っていうと一昔前では感度が悪いとか、ちょっとドヨドヨ感が多い、操作性が良くない、どちらかというとモッチリした感覚でしたけど、「スピカ」は超高弾性カーボンの比率を高めることで過去の問題点を一掃した形になっています。これまでがま鮎の竿を使っていた方にも納得の仕上がりになっています。
また、がま鮎の竿を使ってみたいと思っていた方、躊躇されていた方にも今作はぜひ使ってほしいですね。がま鮎の基本性能はあって、ある程度のところまでは曲がって、しっかり張りが出て止まる。抜くことも出来るし反発力使って寄せてくることも出来る。今までのスタンダードモデルではほかの上位機種と比べると非常に差が大きすぎて、正直言うと上位機種を使っている方達からすると「スタンダードモデルはやっぱりね…」というのがすごくあった。それが「え? この竿、この値段? ほんとに?」っていうぐらい出来がいいと思いますね。使ってもらえばよく分かる。
がま鮎の竿は「上位機種を選ばないと感度も操作性も軽さも色んな意味でダメだよね」という声を今まで聞いてきたけど。この竿は十分使い勝手の良い竿。但し上位機種と比べると多少は感度も操作性も落ちるかもしれないけれど、今までのスタンダードモデルに比べてより上位機種に近づいた。というイメージですね。長年の研究の成果と最新技術の融合で、がまかつの竿は格段の進化を続けていますね。それをこの価格で完成させるっていうのは驚き。
ビギナーから上級者までを唸らせる出来だよね。がまかつはメイドインジャパンを貫き通してるのがすごいよね。竿づくりの匠たちが「コストがかかっても良いものをお届けしたい」ってテストを繰り返すから進化できるんだよね。
これからアユ釣りを始めようという方、当然従来のがま鮎ファンの方にもこのサクラピンクはお勧めです。川で持っていても映えるしね。特にサクラピンクなんかは、女性はもちろん、これからアユ釣りを始めようという方にもお勧めです。竿のデザイナーが良い仕事してくれた。落ち着いた色調で気に入っているね。黒も今までとは違うイメージで、デザインも素晴らしく高級感を感じます。
スタンダードモデルにして超高弾性が採用されていて、がま鮎の基本性能はしっかり受け継がれており、大河川・大鮎河川では「急瀬」「超硬」が間違いなく力を発揮すると田嶋。
オールラウンドで活躍する「早瀬」
「早瀬」の話に戻ります。「早瀬」は、日本全国どこに行っても使える河川が多いんじゃないかなと思うんですね。全国的にもっとも多い早瀬までの中小河川なんかも、この「早瀬」一本で初期から後期まで使えて先ほども言ったように川の状況が悪ければ悪いほど、すっごく役に立つっていうか、使った時に差が出る。
今まで張りが強すぎる竿だと、どうしても魚に主導権がいっちゃってバレちゃうっていうのがあるんですけどそれをじっくり受け止めてくれるので、魚に主導権が一瞬渡っちゃうんだけど、釣り人が立て直せますね。掛かり鮎を無理に止めたりするとバレちゃったり身切れしちゃったりするけど、この「早瀬」はそれを一段階ぐーっと止めてくれる粘り強さがすごくある。
また、その粘りはオトリ操作時にも有効で、オトリを弱らせにくく鮎の好循環を可能にしてくれる。関東だと群馬の神流川ですとか、山梨の桂川とかトロやチャラや瀬等の様々なポイントがあるが、水量がさほど多くなく早瀬までの流れの河川に行ったときは「早瀬」を持っていってもらえればベストマッチするんじゃないかなと思います。オールラウンドモデルと言えるね。
長谷川
2本とも特徴的なカラーリングとデザインが目を引く。
桜色バージョンには遊び心が感じられる桜のイメージが入っている。
上級モデルに肉薄するポテンシャル
田嶋
あとは「急瀬」と「超硬」ですね。神通川で散々テストしました。型は20cmから25cmくらいまでのサイズで、寄せても抜いても、かなり乱暴に色々やってみたんだけどスタンダードな低価格帯の竿でこれはちょっと仕上がりが良すぎるなぁって感じですよ、正直(笑)。
でも、初めて使ってもらう人には、そのぐらいじゃないとがま鮎の良さがわかんないから、そういう意味ではすごく良いと思うんだよね。「急瀬」はどっちかっていうと胴に入ってくるから、パワーがある。いなしながら、取り込みの時に余裕持ってやれる。十分に力もあるし、オモリも十分背負える。
じゃあ「超硬」はどうなのって言うと、「超硬」の方がやっぱ先調子だから、瀬の中で釣り人が主導権を持って手返し良く釣りを展開できる調子になっているよね。竿が急瀬タイプほど曲り込まないので、抜きたいポイントで抜けたり、下がりたくないポイントでも強引にやり取りができる。その分、仕掛けや掛け鈎も大鮎激流仕様で臨む必要があるけどね。
イメージ的には瀬をオールマイティーに攻められる「急瀬」と、ある程度パワーに特化した「超硬」という感じ。胴調子と先調子のパワーロッドだって思ってもらって、そこで使い分けてもらえればなと思うんですよね。もう好みの問題なんで、先調子の操作性、感度を重視したい人は「超硬」選べばいいし、竿に力を借りて大鮎を釣りたいよって人は「急瀬」選べばいい。そんな風に選んでもらえればいいと思いますね。
田嶋
「スピカ」という竿が出来上がりました。使ってもらう方へ、分かりやすく紹介したいと思います。まずは色から。色がまず特徴的なんですよ。赤黒バージョンと、桜色のバージョンがあります。赤黒バージョンは従来のシックなデザインで、サクラエディションは手元に桜のイメージが入っていて、大きく「SPICA」っていう竿の名前が入っています。玉口までサクラピンクに合ったピンク基調ですごくきれい。デザインにこだわった竿に仕上がっていますね。赤黒バージョンは小さい鮎があしらわれていて、伝統的な塗装にこだわっています。