一切の主導権を渡すな。
「我夢者アルティメイト」の底力
in 長崎県五島列島
今、沖縄発祥の釣り『スルスルスルルー』が非常にアツい。
沖縄では昔から行われていたというこの釣法が、九州をはじめ関西でもじわじわと世に広がってきている。
そもそもスルスルスルルーとは何なのか。と思う方も多いだろう。
スルルーとは沖縄で“キビナゴ”を意味する。
キビナゴを全誘導の仕掛でスルスルと流していくため、このような名前になったそうだ。
この釣りの魅力は何と言っても、何が釣れるかわからないワクワク感である。
キビナゴを食べる魚であればなんでもターゲットになりうるので、何が釣れるかは魚が上がってくるまでわからない。
突然、超大物がバイトしてくる可能性がある夢の釣りなのである。
そのため、普通のフカセ釣りとは仕掛けも大きく異なる。竿は、突然の大物にも対応できる3~6号クラスの竿。
ウキは、太い糸が通る視認性の高い大型の管付きウキを主に使う。
10号の道糸を200m巻くことができるリール。
釣り方は、マキエとサシエが変わるだけで、オキアミを使ったフカセ釣りとさほど変わらない。
今回は、がまかつフィールドテスターの小林一史テスター・城島健司テスターと長崎県五島列島で今流行りのスルスルスルルーを体感してきた。
使用する竿は、今年がまかつから新発売された我夢者アルティメイト。
泳がせ釣りやカゴ釣り、スルスルスルルーまでも幅広くこなすことができる究極の対大物ロッドである。
ちなみに、2人はこの竿を過去に1度握っている。
2021年に、同じく五島列島においてカゴ釣りをし、ビッグサイズのヒラマサを何本も上げこの竿の能力を充分把握している。
今回使用するエサはもちろんキビナゴ。
さらにキビナゴにイワシミンチを1:1の割合で混ぜ、匂いによる集魚効果をアップさせる。
イワシの鱗が入っているとキラキラ光るためさらに魚の反応が良くなるようだ。
五島列島・ママコに渡礁。
11:00の満潮まで、上げ潮では左から右に潮が動く。
朝イチは目の前に潮目ができ、いかにも釣れそうな雰囲気に。
朝イチは目の前に潮目ができ、いかにも釣れそうな雰囲気に。
小林さんは、マキエを左の潮上へ撒き仕掛を正面に投入してマキエと同調させる。
開始から数投、小林テスターのスプールから勢いよく糸がはじき出た。
大きくアワセたが、「そんな大きくないね~」と
我夢者アルティメイト3号が余裕で寄せてきたのは40㎝ほどのスマガツオであった。
スマガツオと言えば、知る人ぞ知る市場に中々出回りにくい高級魚だ。
こんな珍客が釣れるのもこの釣りの魅力と言える。
秋と言えどまだまだ海の中は夏。潮が止まるとエサ取りのダツが湧いてきた。
仕掛を潮流に乗せて流していくのが普通だが、ツケエの投入後すぐにダツにエサを取られてしまいうまく流すことのできない状況が続いた。
だが、そこはマキエワークで上手にダツを躱していく。
潮があまり流れなくなった状況で、10kgを越えるヒラマサが期待できないと感じた城島さんは、磯際付近を狙い始めた。
何も起こらない時間が30分ほど続いたが、突如プカプカと浮いていたウキが消し込んだ。「食ったよ!ヤバイよこれ!」
城島さんは、「スルスルスルルー最高に面白いね!」と満足気であった。
撮影2日目は、五島列島でも有名なオキグロ瀬に渡礁した。
「食べて美味しい根魚とか釣りたいよね。(笑)」
そんな二人の会話で始まった2日目だったが、その話通りの展開となった。
本来、沖に流れる潮が好条件だがその日は、朝イチから当て潮だった。
遠投することで仕掛けがなじむ時間を作り、釣り座から10mほど先の根を狙った。
開始後数投で、小林さんのウキがゆっくりと沈み込んでいく。
少し送り込んでから大きくアワセを入れ、竿を絞る。
底付近で掛かった根に潜ろうとする魚を、細見肉厚設計の「我夢者アルティメイト」がグゥーっと浮かせてくる。魚が不思議なくらいスムーズに浮かせてくるこの竿に小林さんも驚きを隠せないようだった。水面に顔を出したのは50㎝のオオモンハタだった。
「狙い通りおいしい魚だね(笑)」と小林さんは笑みを浮かべる。
その後も、城島さんも小林さんも良型のアカハタやカサゴを釣り上げた。
陽ものぼり切り、状況が渋くなってきた時間帯、城島さんは昨日同様、足元の瀬際を深く探る。
突如、ラインがバラバラバラッと吹き飛び、城島さんが思い切り竿をためる。
「これは間違いなく、ヤツだね(苦笑)」
全体重を思い切り後ろにかけて、パワーファイトを開始した。
少しでも相手を自由にさせてしまえば、道糸が磯際に擦られて切れてしまう。
絶対に糸を出さない覚悟で魚と対峙し、浮かせてきたのは城島さんの予想通りヤツ(ハマフエフキ)であった。
「体がぶっ壊れそうなくらい引くよこれ!身体に悪いって!(笑)」
上がってきたのがこの日も余裕の70㎝OVER。