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ワカサギ1日2511匹のノウハウを詰め込んだ『ワカサギ王』の秘密に迫る

ワカサギ1日2511匹のノウハウを詰め込んだ
『ワカサギ王』の秘密に迫る

ワカサギ1日10束超えのノウハウを盛り込んだ、がまかつのワカサギ仕掛け『ワカサギ王』。
その仕掛けを監修したのが、1日2500匹ものワカサギを釣ったことのある尾崎である。
入れ喰い状態のときからシビアな状況まで、
幅広く対応すべく、尾崎のすべてを盛り込んだワカサギ王の秘密に迫る。

PROFILE

がまかつフィールドテスター

尾崎渚

山中湖のワカサギレコードである1日2511匹の釣果を達成した人物。また、メーカー主催のワカサギトーナメントで2連勝の実績もあり。以前はバスプロだったこともあるが今はルアー釣りから遠のいていて、ワカサギの他、アユ釣りや渓流のヤマメ釣りなど長い竿を使う伝統的な日本の釣りにはまっている。ワカサギ2大聖地のひとつ、山中湖のなぎさボートにてドーム船に乗り、釣り客の相手をしつつ、ワカサギの釣技を磨く日々。がまかつフィールドテスター。

『ワカサギ王』の秘密に迫る
数釣りには狐型の仕掛けがベスト

1日1000匹のワカサギを釣ることが一つの目標であり、夢であるに違いないが、尾崎渚というワカサギのスペシャリストは、なんと1000匹どころか2511匹のワカサギを1日で釣ったことがあるという。

といっても、2000匹を何度も達成しているわけではなく、2000匹を超えたことがあるのは、その1回だけです

ちなみに1000匹超えが年間平均で10回前後だという。そんな尾崎の知識や経験を詰め込んだ仕掛けが完成した。それがワカサギ王(がまかつ)である。

ハリの形が狐と袖の2種類。ハリ数というか、ハリとハリの間隔が12㎝のもの(スタンダード)と15㎝のもの(喰い渋り)の2種類がある。狐型と袖型、尾崎はどちらを好むのだろう。あるいは使い分けるのだろうか。

ワカサギファイン
ワカサギ袖

まず、この2種類のハリは気分で選ぶものではなく、明確な差があります。狐の方がワカサギの口に入りやすく、刺さりが早い。でも、キープ力が少し弱い。一方の袖はしっかりハリ掛かりしてバレが少ない。数釣りなら狐。一匹一匹をバラさず丁寧に仕留めるシブい状況なら袖。個人的には狐を使う事の方が多いです。袖は氷上釣りとかに向いていますね

1日1000匹、2000匹の数を釣るとなると、バラさない事よりもハリからの外しやすさを優先しなければならない。

できるだけ口のまわりにかけたい。口先周辺にハリが掛かれば、簡単に外しやすい。これが飲まれたり、深く刺さるとハリから外すのに手間取る。時間のロスは数を伸ばすことの妨げになります

その数秒が積み重なって、何10匹、何100匹のロスになる。それゆえ狐を多用する。袖の場合、掛かりが深く、1匹1匹が大事な展開では重宝するが、数釣りが成立する状況ではペースが上がらない。

あと、狐の方が軸が長くてエサがつけやすいですよね

ワカサギ王スタンダード(がまかつ)とワカサギ王喰い渋り(がまかつ)。どんな特徴があるのだろう。

まず、全長。90㎝以内に収まっていて、取り込みやエサ付けが最速になる全長です

ハリ数が6本と7本がある。数を多く釣るなら7本の方がよさそうだ。

ワカサギという魚は、本当に繊細な魚でスレたり活性が下がると食わせるのが難しい。難しいというか、仕掛けに近づかなくなりますね。ハリの間隔は本当に大事で、2㎝の差は大きい。釣れると釣れないの明確な差になります

ハリの間隔があくほどにワカサギは警戒しなくなる。

テンポよく釣れないとき、群れが薄いとき、ワカサギがナーバスなとき、スレているとき。密な仕掛けを嫌がられているな、と感じるときには6本バリのワカサギ王喰い渋り。6本バリというよりも、ハリとハリの間隔が15㎝の物ですね

また、魚が大きかったり、喰い上げのアタリが多い時にも6本バリのハリ間隔が広い仕掛けの方がトラブルは少ない。

『ワカサギ王』の秘密に迫る
高活性のワカサギを1000匹釣るなら7本バリ

もちろん、仕掛けを入れたらすぐにアタってくるようなとき、活性が高く数が見込めるときは7本バリ。

仕掛けの違いでいえばハリの数が一本違うだけですが、7本バリはハリの間隔が12㎝になっています。500匹、1000匹と数を釣っていくなら、このハリ間隔がいい

仕掛け図を見比べるとハリスの長さも違う。

ハリスは、長い方が誘った後の沈下する時間や、湖流を受けて漂う自然さ、喰いついた時の違和感のなさも優れています。だからシビアな時はハリスは長い方がいいんですが、当然、長ければ長いほどトラブルが発生します。活性が高い場合には、短くても喰いを妨げない長さのものが扱いやすい

いろいろ試した結果、ハリス4㎝は確かに喰いもいいが、幹糸に絡むトラブルが発生する。そうなるとほどいたり、ハリを1本失ったりして効率が悪い。トラブルなくスレたワカサギに口を使わせやすく、かつ、数釣りに持ち込めるギリギリの長さが6本バリの3.5㎝だった。喰いが立っていて落としたら喰うような場合には、極力、ハリスを短くしたほうがよく、7本バリは3㎝となっている。

各湖や沼でワカサギの性質が変わるんですよ。湖ごとにクセがある。それ以上に、日ムラが激しい。それこそ同じ湖で、1日1000匹釣れるような日もあれば、1日100匹を釣るどころか30匹を釣ることが大変な日だってある。僕は毎日、湖でワカサギ釣りをしています。また、時間があれば、各地の釣り場に足を運んでいます。富士五湖をはじめとした主戦場では、この2種類の仕掛けがあれば、ほとんどの状況をカバーできます

『ワカサギ王』の秘密に迫る
1日中、使いとおせる仕掛けで重要なハリスの太さ

ハリスがやや太めなところにもこだわりがある

竿2本に仕掛け2枚。これが僕の1日の基本です。よほどのことがない限り、仕掛けを張り替えたりはしないです。ですので、ハリスが縮れたり、切れたりするトラブルは可能な限りなくしたい。それと群れが入った時にはできるだけスピーディに魚を外す関係もあって、ハリスには強い力が掛かってしまう時もある。そういう時でも、切れない、かつ、喰いが落ちない太さのハリスを選びました。関東をはじめとした活性の高いエリアではこの太さがベストでしたね

ただし、太いといっても0.3号までで、0.4号、0.5号になると喰いが落ちる。また、幹糸の太さも喰いに大きく影響する。

ふつうの仕掛けなら2回の誘いで喰う状況なのに、糸が太いせいで5回の誘いが必要になったりする。当然、テンポが悪くなる。とはいえ、糸は太い方がさばきやすい。ロスなく、さばきやすさを両立できるのが、関東エリアでは幹糸0.4号、エダス0.3号でした

魚を外す際に糸が切れると、ハリのついたワカサギが釣ったワカサギのストックに紛れ込むことになるが、内臓をとったりせずにテンプラで丸ごと食べることの多いワカサギでは、ハリが付いたワカサギを他のワカサギと一緒にするわけにはいかない。そして、その1匹を取り除くのも大きな時間のロスになる。

また、ハリスはナイロン、フロロカーボン、エステルの中からフロロカーボンを選んだ。

ナイロンのしなやかさは抜群の喰いのよさがありますが、絡みやすく、幹糸に絡んだり、魚を外す際にすぐにクセがついてしまう。エステルは、糸の張りが強すぎて喰い込みが悪いですね。数釣りで1日中トラブルなく使うことを考えるとフロロカーボンがいい

水深10mとなるとけっこう暗い。

関東の湖は、それなりに濁っていて、濁っているというか透明度は高くない。水深10mだと、だいぶ暗いので、夜光玉で目立たせて喰いを早めます

玉があることで、エサがとれてしまっても空バリで喰う確率が高まる。さらにエサ付けの際にハリを持ちやすいというメリットも時間短縮に一役買ってる。

ワカサギ王スタンダードとワカサギ王喰い渋り。わかさぎ釣りの仕掛けで悩むなら、ぜひ、この仕掛けを試してみたい。

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