GAMAKATSU がまかつ

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海上釣堀完全攻略のための
3つのカギ

海上釣堀アルティメイトスペック

いまや最先端の海上釣堀シーンにおいて欠かせない存在となっている海上釣堀アルティメイトスペックシリーズ。そのアルティメイトに新たに3機種が追加された。そのうち攻めさぐりB330と誘い万能S330の2機種に関しては、これまでのような振り出し仕様ではなく並み継ぎ仕様となっていて、すべてが新しい。すでに十分な戦闘力を誇っていたシリーズに、なぜ、3機種もの追加機種がラインナップされたのか。そして、どんな攻略のために生まれたのか。その素性に迫ることにしよう。

PEライン時代の先駆け
いままで出せなかった超微細なアタリをもとらえる
海上釣堀アルティメイトスペック 攻めさぐりB330

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『ピクリ』の『ピ』ほどの小さな穂先の揺れを捕えて、アワセを入れる林。ガイドに通っているラインは不透明でカラフルだ。
「PEラインの優位性は海上釣掘においても明らかです」

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見るからに細い竿が美しくも力強い弧を描く。ほどなくしてあがってきたのは、アベレージサイズのマダイであった。果たしてこの1枚は、これまでのフロロラインを用いたシステムで捕らえることができたのだろうか?

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「海上釣り堀は水深があるので、フロロカーボンからPEラインに変えるとアタリ自体が明確で大きく出るようになるのと、いままで捕えきれなかったアタリまで出せるようになります。ただ、それに適した竿がなかったんですよ」
PEラインは細くて強靭だが、細さとしなやかさがアダとなり、繊細な海上釣り堀竿の穂先との相性が悪かった。
「穂先への糸絡みを解消するため、徹底的にテストした結果ガイド数を増やし、スパイラルガイドセッティングでラインを下方向に逃がしてやるとトラブルを少なくすることができました」

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攻めるタナをしっかり把握するためにミャク釣りでは、カウンター付きのベイトリールの使用が適している。

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スパイラルガイドセッティングは、ガイドの角度をバット側から徐々にずらしていって、やがて下向きからラインを放出するシステム。
がまかつでは船のエサ釣りロッドやルアーロッドでよく用いられる手法である。これを海上釣堀アルティメイトスペックに搭載したところ、相性がよくライントラブルが激減した。
「その結果、振出しではなく3本継の並継仕様となりました」
これまで海上釣り堀の竿は振出し式の竿ばかりであったが、海上釣堀アルティメイトスペック攻めさぐりB330と海上釣堀アルティメイトスペック誘い万能S330の2本は並継仕様。
「並み継だと細く肉厚に作れるというメリットがあり、曲がりの美しい竿に仕上がります。また、ガイドがあらかじめ固定されているので、スパイラル状にガイドをあわせる手間も、ファイト中にズレてしまう心配もありません」

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撮影日は雨という悪条件下。本来であればラインはブランクに張り付き、あるいは、穂先に絡みつきやすい。だが、林は無造作に振り込んでいるにも関わらず、穂先に絡みついていた糸が自然にほどけて落ちていく。重い仕掛けのときはもちろん、アタリが止まった先で用いるオモリをつけないノーシンカー釣法でも、穂先にラインが絡むことはなかった。

「正直、PEラインの高い戦闘能力を体感してしまうと、元に戻れないですよね。それくらいメリットが多く、『攻めさぐりB330』が僕にとって、もっとも出番の多い竿になっていくかもしれませんね」

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ボリュームのあるエサでも適切な誘いを与える 海上釣堀アルティメイトスペック 誘い万能S330

継ぎ竿のもうひとつがスピニングモデル。

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「振出竿に比べてある程度自由にガイドを選べるので、目印やウキ止めがストレスなくガイドを通るように口径が大きめのガイドを搭載しています。ウキ釣りに特化したというわけではないんですが、ウキ釣りでの使用も想定してアクションを調整しています」

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ミャク釣りで釣る事の多い林にとって、ウキ釣りとスピニングはやや異色な存在。林のスタイルでいえば、スピニングは青物で使うケースが多い。
「基本、青物は泳がせで狙うならスピニングです。ただマダイ狙いでもスピニングの出番はあって、マスが大きい場合はミャク釣りでは長い竿を使っても届かない場所が出てきます。そういうポイントではウキ釣りで攻略します」

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「ウキ釣りはミャク釣りと違って、竿の長さより遠くを釣ることができます。そのうえで誘いをかけやすくするため、穂先をミャク釣り専用のものよりも全体的に張りを強くしてあります」
アルティメットスペック誘い万能S330の穂先は、ミャク釣り用のアルティメットスペック攻めさぐりB330よりも明らかに硬い。

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「まずウキを背負わせる強さ。そしてウキをつけても誘える強さ。強さというか張りですね。シラサエビやキビナゴはもちろん、ウグイやアジを使った泳がせ釣りでも誘いをかけるんですが、こういったボリュームのあるエサは、柔らかい繊細な穂先では竿先が曲がるだけで思うようにエサが動かないんです」
そうして青物の放流があるや素早くウグイをつけ投入する。タナは中央最深部のボトムから1m上に設定。ウキがなじむとすぐに激しく上下し、消し込むアタリが出た。

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「食った!青です!」

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バットを腰にあてて耐える林。細身なアルティメットスペック誘い万能S330が大きな弧を描く。強烈な突っ込みに対しひるむことなく耐える。ほどなくして浮いてきたのは、引きの強さで知られるヒラマサ。マダイ・青物兼用調子の竿で、この粘り強さは頼もしい限りだ。

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高活性の獲物が群れる聖域、
中央の深場をダイレクトに攻め落とす
海上釣堀アルティメイトスペック くわせロングB400

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ウキ釣りに比べ展開の早い釣りが可能なミャク釣りだが、そのミャク釣りにも大きな弱点がある。それは竿の長さよりも遠くを探ることができない事。

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「沖にエサを投入することで沖にいる魚にアピールすることは可能だけど、どんなにエサを遠くに投入しても結局は竿先の下にエサがぶら下がる形になるので、3mの竿で4m沖を攻略することはできません」
ミャク釣りは竿の長さなりしか攻めることができない。海上釣り堀では釣り堀ごとに竿の長さに決まりがあり、3.5mまでの釣り堀もあれば4mまでの釣り堀もある。もちろん、それ以下の長さの場合もある。既定の範囲で最も長い竿はミャク釣りにはなくてはならない武器のひとつである。とはいえこの1本ですべてをカバーするというわけにはいかない。
林にとっての右腕は、海上釣堀アルティメイトスペックへち誘い300だ。一日のかなりの時間をこの1本でカバーする。2023年からは、海上釣堀アルティメイトスペック攻めさぐりB330が加わり、どちらを使うか贅沢な悩みが増えるものの、この2機種では3~3.3m沖までしか探れない。そこで、ひとしきり3mの竿で探れる場所を探り切った後に、沖を攻めるための繊細な竿が欲しかった。その竿が海上釣堀アルティメットスペックくわせロングB400である。

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「海上釣堀アルティメイトスペックくわせロングB400は、4m沖で繊細な誘いをかけて、小さなアタリも逃さず掛けることができます。これによっていままで取り切れなかった魚が獲れるようになりました」
ミャク釣りのための竿を1本揃えるとなれば、まず3m前後の竿を選ぶべきだろう。だが、その距離は誰もが攻略するスレた魚ばかり。4m沖を攻めるという事は、単純に1m沖を攻めるというだけではなく、なかなか攻略されることの少ないスレていない魚に触ることができるということになる。単純に広く遠くを深く探れるという以外に、スレていない活性の高い魚を無理なく容易に攻略できるというメリットがあり1日を通して釣れ続けるためには有効な一手となる。
「ほとんどの海上釣り堀のネットは、おわん型をしていて真ん中に行くほど深いんですよ。流れを無視した場合、太陽が高くなったり、魚がスレたりすると群れは沖の底に集まるわけです。そういうときに『くわせロングB400』の長さが生きてきます」 海上釣堀アルティメイトスペックへち誘い300でできていた誘いを4m沖で行うことができるわけだが、ただ長くしたわけではない。
「マスの真ん中でシラサエビを使うと、青物が口を使ってしまうケースがけっこうあります。そういう時に勝負してもそれほど長い時間を掛けずにちゃんと取り込めるだけのパワーは持たせてあるんです」

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ところで4mというと海上釣堀アルティメイトスペックズボ万能400というモデルがすでにある。
「ズボ万能は、スピニングでもベイトでも使えるタイプで、ミャク釣りもウキ釣りもいける。『全部できるならズボ万能でいいじゃん』という声が聞こえてきそうですが、全部をこなせるという事は、高い妥協点を探ったモデルということで、くわせロングB400はミャク釣り専用機になります」
海上釣堀アルティメットスペックくわせロングB400はトリガーシートを採用したベイトリール専用モデル。ズボ万能との違いはミャク釣りに特化した分、繊細な食い込みを実現し微細なアタリの表現に関してはくわせロングに分がある。へち誘い300や攻めさぐりB330と同じ誘いや食い込みを4m沖で再現したいという時には、くわせロングB400を選択したい。

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海上釣堀アルティメイトスペック 竿イメージ