【フィッシングDAYS】#63 へちスタイルで激闘 淡路島沖堤 タンコブゲーム
淡路島北部、浦漁港の沖に位置する浦一文字は、全長200mほどの小規模な波止だ。外向きはスリット、内向きは垂直ケーソンになっており、水深は竿下で5mほど、足元に入っている捨て石の先は6~7mに落ち込む。明石海峡の急潮の影響を受け、潮が流れ出すとかなり速くなる。沖にはシモリが点在し、バラエティー豊富な魚種が波止周りに潜む。今回のターゲットであるカンダイはもちろん、チヌ、グレ釣り場としても穴場的な存在として、足しげく通うアングラーも多い。
大型になると頭部に大きなコブが特徴で、その姿から「コブダイ」と名付けられたが、タイの仲間ではなく、ベラの仲間。小型のコブダイを見るとベラに似ていることがよくわかる。多くの地域で「カンダイ」と呼ばれる。大型になると1mを超す個体もいる。顎の力が強いのと硬い歯を利用してサザエなどの貝類や甲殻類をバリバリ割って食べる。頭部のコブは雄特有で、小型は雌、大型になると雄に性転換しコブが張り出してくる。ちなみにコブの中は脂肪が蓄えられている。
大田徹 (おおたとおる)
大阪・堺港沖堤防をホームグラウンドに、大阪湾全域に精通する。目印を使用せず、カラーリングされた道糸でアタリを取るヘチ釣りを主とするスタイルで、年間を通じて波止のチヌを追いかける。近年、夏場のチヌだけにはとどまらずカンダイ狙いのヘチ釣りにもハマる。季節によっては堤防からの飲ませ釣りでの青物狙いやタチウオ、アジなども狙うマルチな波止アングラー。がまかつフィールドテスター。