【フィッシングDAYS】#77 数と型を釣り分ける 大阪湾テンヤタチウオ
2023-11-06
・タックル
・アングラー:三石忍(テクニカルインストラクター)・中山武嘉(フィールドテスター)
・ターゲット:タチウオ
身体の形状が刀に似ることと、その魚体の銀色も相まって「タチウオ=太刀魚」と名付けられた説や、通常、頭を上にして立って泳ぐ姿から「タチウオ=立ち魚」と呼ばれるようになった説などがある。日本では北海道から九州南部沿岸に広く分布し、瀬戸内海にも多い。フィッシュイーターのため、波止や船から魚や切り身をエサに狙ったり、ルアー釣りのターゲットとしても人気がある。釣った魚を体長や重量で評することも多いが、タチウオに関しては「幅(体高)が指4本」という具合に、体高を指の本数で表すことも多い。体表には鱗がなく、グアニン層と呼ばれる色素の層があり、指で触っても簡単にはがれる。このグアニン層から銀粉を採取して文房具や化粧品のラメに用いられていた。歯が鋭く、指などで触れると深く刺さり込み、血が止まりにくい傷となるので釣り上げた際の取り扱いに注意が必要。
・フィールド:兵庫・洲本沖
大阪湾で船タチウオの釣り場としては、明石海峡から大阪湾側へ出た「神戸沖」、泉南・谷川港のすぐ沖に位置する「谷川沖」、紀淡海峡周辺の「洲本沖」などがあり、海底の地形で見ると、海峡にある海溝が切れて浅くなるエリアがポイントとなることが多い。中でも洲本沖はシーズン初期から冬に至るまで、水温が下がって、他のエリアでタチウオが釣れなくなって以降も釣れ続く。またサイズがやや安定しているのも洲本沖の特徴だ。水深は50~60mの浅場から、150mを超すような深場も点在し、エリア内のタチウオポイントは数多いのが特徴。潮の複雑な場所も多く、潮の速さや二枚潮など、その時々の海況を考慮して、船長がポイントを選択してくれる。