ミノーは本来、リトリーブアクションとジャークアクションを別のルアーとして設計されることが多いのだが、アベンジミノー110Fは一つのルアーで、二つアクションを高次元で両立させることをコンセプトに開発した。それを可能としたのが、繰り返しテストを重ねたボディ形状とリップ形状である。 ジャークアクションのキレを良くするためにリップを薄く設計することは不可欠だが、それではリトリーブアクション時の安定性を欠いてしまう。そこでアベンジミノー110Fはリップに安定性を保てる最低限の厚みを残し、ボディヘッド部とテール部の形状を極端に絞ることで、ジャークアクションのキレを出した。 また、ボディの背中を太くすることで、水平姿勢を生む空気室を確保し、水を受け易くする為のフラット面も設けた。これによってリトリーブアクション時の安定性を高めると共に、ジャークアクション時の不用意な回転を防ぎ、糸絡みを軽減している リトリーブアクション時に『礒村が求める魚を呼ぶアクション』を出すキモとなったのが、テール部の細さである。細くしたことで、ジャークアクションのキレを増すだけでなく、細かいピッチのキックアクションを生み出す。 ハイフロートセッティングにすることで、クランキングミノーとしての性能を高め、ジャークアクションを用いた浮上アクションでもしっかりと魚を引っ張ることができるようになった。
アベンジミノー 110F