釣果
マダイ7尾
1年を通して狙うことのできるコマセマダイ。水温が最も低下する12月から2月にかけては、冬場の越冬ポイントがメインステージとなる。水深はおよそ80~100メートル前後。関東エリアでは、神奈川県の久里浜沖がその越冬ポイントとして有名で、1月下旬から日並みによるムラはあったものの、いい日にはトップで5尾前後と数もまとまっていた。そこで、2月上旬。金沢八景の一之瀬丸から、この越冬ポイントで狙うコマセマダイ釣りに出船してきた。
当日は長潮で満潮は午前10時45分。北寄りの風4~5メートルという海象。釣り座は右舷のミヨシ1番に構えた。午前8時20分に実釣スタート。メインポイントの90メートルラインには大船団ができていたため、少し外れた75メートルラインで第一投となる。しかし、このポイントではフグの猛攻。ハリのロストも多かったため、すぐさまポイント移動となる。次に船が移動したのは大船団からやや北に位置する水深93メートルライン。船長の指示ダナは海面からの指示で80メートルとアナウンスされ、リスタートとなる。
指示ダナ下5メートルの85メートルまで一旦ビシを沈め、そこでコマセを軽く一振り。すぐさま5メートル巻き上げて再びコマセを振り、私はさらに5メートル巻き上げ、ミチイトのメーターマークで75メートルの位置を基準のタナにセットする。
コマセマダイ釣りにおいては、船長の指示ダナよりも下でビシ位置をセットして待つことは厳禁で、指示ダナよりも上で待つ分には問題はない。これは、食い気のあるマダイを浮かせて釣ることが目的であり、ビシ位置を低くセットしてしまうと、そのビシの動きを警戒してマダイが浮いてこないためだ。
また、高めの位置にタナをセットすると、その後、付けエサを落とし込む誘いが効果的に行えるため、私は常に高めのタナを基準にして落とし込みの誘いで付けエサを食い気のあるマダイの口元に届けるイメージで釣りを組み立てている。
するとこの一投目。75メートルのタナから1メートルを20秒ほどかけてゆっくりと落とし込んでいき、1㍍落とし込んだら食わせの間を10秒取るルーティーン。2メートル落とし込んだところで、早速、竿先が海中へと突き刺さった。船中ファーストヒットということもあり、慎重にやり取りし、船長の差し出すタモに入ったのは後検量1キロのマダイ。本命の登場に思わず笑みがこぼれた。
その初顔から10分後。2尾目も同じく75メートルのタナからの落とし込みでアタリが到来。1尾目より引きにトルクがあったが、シーファングマダイの粘りのあるUDグラスが、その引きを心地よく吸収。バット部分の適度なパワーで魚をラクに浮かしていってくれた。姿を見せたのは後検量1.3キロ。腹回りも厚く、いかにも越冬時期らしいコンディションのいい魚体であった。
満潮の時間まではトロトロと潮も流れており、同じ誘いで4尾まで数を伸ばすことができたが、潮が変わり、下げの時間帯に入ると、魚の食い方が変わってきた。潮先となるトモ寄りではポツポツとマダイが姿を見せていたが、ミヨシ側は完全なる潮上。そこで、スタートのタナは75メートルと高めのまま、まずはハリの上50センチの場所にBサイズのガン玉を打ち、海中での仕掛けの姿勢を変えてみる。イメージとしてはコマセの帯から外れたオキアミの演出。同じ落とし込みの誘いを行っても、エサの動きに変化を持たせることで、マダイの反応を見てみることがその狙いだ。すると答えはすぐに出た。やや小ぶりではあったが後検量0.8キロをキャッチする。
しかし、同じ釣り方をしてもその後はエサも取られない状況に。そこで、今度はタナを下げるのではなく、仕掛けの長さを2メートルプラスし、全長12メートルにセット。タナの基点は下げずに、ハリスの長さで、付けエサの位置を変化させてみた。また、下げの時間帯に入ってから食いが浅くなったのか、船中ではバラシも多く見られるようになったため、誘い後の食わせの間をやや長めに取ってみるようアジャストしてみる。
すると、この作戦が奏功。真鯛王ナノポイントの特徴であるオキアミカラーのカモフラージュ効果とナノポイントによるハリ先の鋭さにも助けられ、しっかりとカンヌキにハリ掛かりしてくれたおかげで、不利な潮上の釣り座ながら沖上がりまでに2尾を追釣。結果として、計7尾にまで数を伸ばすことができた。
状況の把握に加え、サオとハリの特性に助けられた釣行となったが、この越冬ポイントでのコマセマダイも3月中旬頃まで。水深が深いだけに釣りの組み立てをしっかりとイメージして挑めば、本命を手にすることも決して難しくはないはずだ。
その後は、濁りの入った暖かな潮が差し、水温の上昇とともに、マダイのノッコミも始まってくると思うので、また釣行を重ねてリポートしたいと思います。
タックルデータ
- ライン
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ミチイト/PE3号 ハリス/6号・4号テーパー仕掛け:全長10~12メートル
- エサ
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オキアミ
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