釣果
イワナ 18~38cm 5本
6月3日各地に大雨と甚大な被害をもたらした台風の影響で、私の住む山梨南部でも相当量の降雨があった。
幸い大した被害はなく安堵したが、各地で被災したと言うニュースが目に入り早い復旧を望むばかりだ。
低気圧が過ぎ去り自身が名を連ねる漁協管内の河川を見て回ったがどこも濁流で、この日解禁となる鮎釣りは不可能な状況。
諦めて家に帰ったものの気になる渓があり、青空が顔を出したタイミングで富士川水系常葉川支流へ釣行。
殆どの河川は増水と濁りで釣りにならないなか、ここは増水しているものの何とか釣りになる水況。
とは言え川切りすれば即流される程の水量のため水に入らず竿を出す。
がま渓流 粋我 硬中硬 5・8㍍にハリス0・5号の仕掛けをセットしたが、何度も使った古い仕掛けで多少の不安を抱えてスタート。
流れが早く、仕掛けを安定させることも難しい状況で流れのヨレを見つけ探って行く。
天を仰げば台風一過の晴天で数時間前まで豪雨だった事が嘘のよう。しかし水のなかは厳しくようで中々魚信が出ない。
それでも粘っていると流れの際の浅瀬や、石裏のポイントから小型のイワナが顔を出してくれた。
数本釣り上げたが20cm前後と期待のサイズが出ない。
雨の後ならば大型が動いているはずと目論んだが、水の冷気から水温が下がり活性が悪い事が判断出来た。
良型を諦め切れず竿をだすが、餌のミミズに反応するのは小型イワナばかり。
オモリを重めの4Bに設定して白泡が切れ、鏡になっている流れをゆっくりと流すと魚信が出た。
餌のミミズを咥え白泡の中に突っ込んでいく引きは良型のもの。トルクのある引きで久しぶりに愛竿が大きく弧を描く。
白泡が巻き込んで底の形状や魚影が全く見えない状況でのやりとりに加えて、何本もの魚を掛けてきたラインは心許なかったが竿の性能を信じて魚の引きに耐える。
数分後弱った魚は浮いてきたが流れに乗って下ったため、落ち込みを一段落として再びやりとりを繰り返す。
強い流れの中で体力を奪うと力尽きて徐々に寄ってきた。
後方に注意しながら慎重に寄せるが頭上の木が邪魔になり上手く寄せられない。下流には大岩があり下れない状況で万事休す。
そこで一か八か鮎の取り込みで行うラインをつまんで手繰り寄せる方法をとった。
以前大型のニジマスがスレ掛かりしたときにやったが、本流では魚が暴れた場合即座に糸を離し竿を持つことが出来るが、周りは障害物だらけで更に厳しい状況で上手くいくかドキドキのチャレンジだ。
糸を手繰り魚体を白泡の上を滑らせるように寄せる。時々重みがなくなりバレたかと思いながら慎重に寄せタモ入れ成功。
紛れもなく思い出に残るやりとりでタモに収まったのは大型とも言える38cmの精悍な顔をしたイワナだった。
俗に「三ツ口」と言われるオオイワナ特有の顎の割れた魚体は幅もあり貫禄十分。
引きの強さも納得出来るイワナだ。素早く写真に収めてリリース、手を離すと一瞬で流れに戻った魚は白泡の中に消えていった。
今後、梅雨が本格化すると増水や笹濁りの条件で大型も口を使うようになる。
しかし流れは強く油断すると流される危険も高くなるため、釣行の際は十分注意して楽しんで頂きたい。
![](https://www.gamakatsu.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/青空の下で増水した渓に挑む-scaled.jpg)
![](https://www.gamakatsu.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/最初に顔を出したのは可愛いイワナ-scaled.jpg)
![](https://www.gamakatsu.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/水に入らないよう慎重に進む。-scaled.jpg)
![](https://www.gamakatsu.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/白泡の中から現れた大イワナ-scaled.jpg)
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