その他大会・イベント 2021

2021年度 がまかつ へらぶなチーム対抗戦東日本大会結果報告

2021-11-21

大会結果

開催日

2021年11月20日(土)

開催地

椎の木湖(埼玉県羽生市三田ヶ谷平島2551-1 TEL048-565-4133)

参加選手

59組(118名)

審査方法

2名の総重量にて順位を決定(検量は池備え付けの自動検量機を使用。)

 

 

 

へらぶなチーム対抗戦・東日本大会を2年ぶりに開催

 

令和3年11月20日(土)、ペア 2 名の釣果で競う恒例の「がまかつ へらぶなチーム対抗戦・東日本大会」を、約2年ぶりに埼玉県羽生市「椎の木湖」で、59組118名の選手を迎え開催いたしました。スタッフ及び全選手への検温と消毒、また、競技中の選手同士のソーシャルディスタンスを確保するため釣り座は1席空けることや、成績発表及び抽選会は釣り座に座ったままで進行するなど、できる限りのコロナ対策を実施しての大会となりました。

 

 

●メーターか、チョーチンか

大会当日は朝から快晴無風の絶好の釣り日和。早朝は5度まで冷え込みましたが、日中は上着を着ていては汗ばむほどの陽気。また、風に悩まされることもなく、最高のコンディション下での大会となりました。朝6時には椎の木湖に選手達が続々と集結し、順次検温や受付、釣り座抽選などがはじまりました。ペアは、抽選でブルーエリア(3号桟橋両面)、レッドエリア(2号桟橋両面)の釣り座番号を引き、どちらに誰が入るかは自由(競技途中の移動は禁止)というルールです。エリアによって微妙に水深や魚影の濃さ、またはメーターかチョーチンが有利なのか…という違いもあり、この選択もまたペア戦ならではの面白さとなっていました。そして、選手の協力により、滞りなくスケジュールを消化し、選手達は早々と釣り座へと入場していきました。

冬の気配も感じられるようになってきた椎の木湖は、新べらが放流されているということもあり安定した釣果で、「1枚1キロ」の大型も顔を覗かせていました。しかし、「枚数=キロ数」ということは気難しい大型ばかりが相手となり、「外すと痛い目に遭う」という椎の木湖ならではの難しさも健在でした。特にここ数日は日に日に冷え込みが強まっている影響か、「ちょうど秋から冬へと攻め方が移行している状況で、ある意味、とても中途半端で捉えどころのない状況」とコメントする選手が目立ったのが印象的でした。

 

釣り方そのものは、椎の木湖の定番である規定の1mギリギリの浅宙釣りである「メーターウドンセット」か、竿いっぱいの位置にウキがくる深いタナを狙う宙釣りの「チョーチンウドンセット」にほぼ集約されていましたが、その攻め方はどちらもかなり難しく、バラケをしっかり持たせてナジミ幅を出していく釣りがいい日もあれば、真冬のようなバラケのナジミ幅を出さない、タナに届く前に抜いてしまう冬独特の釣り方完全抜きセットでなければ釣れない日もあるといい、さらには、バラケの重さをほんの少しだけウキのトップに掛ける「ちょい掛け」という微妙な日もあり、選手を悩ませていました。また、竿も短竿一辺倒ではなく、浅ダナチョーチンともにやや長めの方がいい日もあるといい、なかなかにセレクトが難しい状況が選手のコメントから感じられました。そして実際、大会当日もそんな気難しさが色濃く顔を覗かせる状況となりました。

 

 

●安藤・山本ペアが喰い渋りを制しトップに

今回のチーム対抗戦は、選手の移動を極力少なくするため、従来の二部制を取りやめ、12時30分までの休憩無しの5時間一本勝負。7時30分、素晴らしい青空のもと、棚網久審査委員長のホーンで競技がスタート。しかし、竿の上りは鈍く、「気配はあるがアタリにならない」とボヤく選手達が続出しました。釣法はメーター、チョーチンが半々といった感じでしたが、大勢が一気にエサを落とすプレッシャーをへらが嫌がったのか、そのどちらもなかなかアワせる気配がないまま時間が過ぎていきました。

 

開始から30分ほど経過したところでようやく竿が立つ光景が散見されるようになりましたが、やはり全体的な食いは明らかに渋く、苦戦が続きます。序盤は有利と見られていたメーターも精彩を欠き、さりとてチョーチンもなかなかアタリをもらえないようでした。

そんな中飛び出したのが、山本敏之選手とペアを組む安藤嘉洋選手。11尺チョーチンウドンセットで迫る安藤選手は、他選手が難時合に苦しむ中で早々に感触を掴み、大型を連発。序盤は不利と見られていたチョーチンでいきなり他を圧倒する釣りで突き進んでいきました。他選手がまだ1枚2枚という状況で早々と10枚以上を釣り、この時点では独走状態となりました。そのペアにどうにか食らいついていったのが、古郡一夫選手&永井 保選手ペア、小原泰則選手&礒貝一彦選手ペア、山村慎一選手&木村知広選手ペアといった実績十分の実力派ペア。全般的には若干浅ダナ有利といった状況で、1枚1枚、バラケを抜き差しして丁寧に拾っていくような釣りの選手がジワジワと釣果を重ねていました。

 

 

●9時30分時点での上位釣果
1位 安藤&山本選手ペア  20.04 kg
2位 古郡&永井選手ペア  18.63 kg
3位 小原&礒貝選手ペア  17.20 kg
4位 山村&木村選手ペア  16.28 kg
5位 関口&星野選手ペア   16.28 kg

 

 

●前回覇者、石井・桜井ペアの連覇なるか!?
10時を過ぎて気温はグングン上昇。それと同時に、安藤選手の驀進が少し緩み始めます。ウワズリがキツくなってきたのか、明らかに釣りづらそうで、かといってアタリ数が増えている気配もありません。たまらず竿を11尺から9尺へと短くするなど、ペースダウンを強いられていきます。しかし、ペースダウンは他の選手達も同様でした。予想外に徐々に落ちていく時合に、選手達は動揺を隠せない様子。本来、椎の木湖はスロースタートな池として知られ、日中から後半にかけて大型の食いが立って釣果も右肩上がりになっていくのが定番です。しかしこの日に限ってはそれは当てはまらないようで、暖かくなってきても逆に鈍っていくウキの動きに、選手達は「いつもと勝手が違う」と困惑する姿が目立ち始めていきます。

 

そんな中、前回2019年大会優勝の石井寿選手&櫻井和弘選手ペアがじっくりと腰の据わった釣りでジワジワと順位を上げていきました。ともに椎の木湖をホームグラウンドとする両選手は、食い渋りにめっぽう強いアングラーとして知られ、全国規模のビッグトーナメントでの実績も数知れず。まして前回優勝ということで全選手からマークされるペアですが、その石井&櫻井ペアがいよいよ本領を発揮してきました。釣り方は石井選手が8尺メーターウドンセットで、櫻井選手が11尺チョーチンウドンセット。今大会もともに得意のスタイルで臨んだ二人で、さすがと思わせる強さでカウントを重ねていきます。

 

「もう少しウキが動くと思っていた」という櫻井選手は動かないウキに序盤こそ苦戦するも、徐々に態勢を立て直し、下ハリスを長めの60㎝、そして下バリを「アスカ」3号から2号にサイズダウンしたところで釣りが嚙み合いだし、大型を粘釣。ウキは大きめでしっかりとタナに大型を寄せつつも、タナに届いた後は早めに抜ける、いわゆる「タナ抜き」の状態を維持して、そこからは下ハリスの倒れこみの間にでるアタリに的を絞っていきます。

 

また、元々、椎の木湖でのメーターウドンセットには定評のある石井選手ですが、この日はまさに「大当たり」。どちらかといえば活性が高い時より、今大会のように「食い渋りが大好物」という石井選手。他の選手達が脱落していく中、逆にジワジワとペースを上げていく釣りで強力にチームを牽引していきます。特に終盤の30分は圧巻。「ヤワボソのバラケでウケをたっぷり出させておいてからの、下ハリス倒れ込みの釣り。ちょうどハリスが張り切るかどうかのギリギリのところで『チッ』とアタるという、一番好きなパターンだった。ハリスもどんどん長くしていき45㎝、ハリも『コム』1号で決まった」という釣りで、なんと6枚を固め釣り。他を一気に引き離すラストスパートを見せ、12尺チョーチンウドンセットの磯貝選手の爆釣でトップだった礒貝&小原ペアを最後の最後で逆転し、1.29㎏の僅差で優勝、見事連覇を達成しました。

「とにかく下ハリスの張らせ方がキモでした」と口を揃えた両選手。釣り方は違えど、その「目指すところ」は期せずして一致していて、根本的な部分でのチームワークの良さが光る、今後も勝ち続けるであろう「真に強いペア」の誕生しました。

 

 

●最終釣果(12時30分)
1位 石井 寿&櫻井和弘ペア   53.41kg
2位 小原泰則&礒貝一彦ペア   52.12 kg
3位 安藤嘉洋&山本敏之ペア   50.61 kg
4位 古郡一夫&永井 保ペア   46.69 kg
5位 野市哲也&塚越明夫ペア   42.85 kg

 

 

石井 寿選手データ(メーターウドンセット)
釣り座 215番
竿 「がまへら紬」8尺
ウキ 自作ボディ4cm
ハリス 9―41~45 cm
ハリ 上がまかつ「リフト」5号  下がまかつ「コム」2~1号
バラケ 「粒戦」2+「粒戦 細粒」0.5+水2+「セットアップ」1+「BBフラッシュ」1
クワセ 「力玉」


櫻井和弘選手データ(チョーチンウドンセット)
釣り座 544番
竿 11尺
ウキ 自作全長37 cm
ハリス 8― 60 cm
ハリ 上がまかつ「リフト」7号  下がまかつ「アスカ」2号
バラケ 「粒戦」3+「とろスイミー」0.5+「サナギパワー」1+水4+「Sレッド」1+「セット専用バラケ」1
クワセ 「力玉」、「力玉 大粒」

 

総合順位

順位氏名釣果総合計
1位石井 寿&櫻井和弘ペア
53.41
2位小原泰則&礒貝一彦ペア
52.12
3位安藤嘉洋&山本敏之ペア
50.61
4位古郡一夫&永井 保ペア46.69
5位野市哲也&塚越明夫ペア42.85

※釣果の単位はすべてkg
※敬称略

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