G杯 2022

第45回G杯争奪全日本アユ釣り選手権

2022-08-17

大会結果

 

 

第45回G杯争奪全日本アユ釣り選手権


開催日
2022年7月31日~8月2日

開催地
福井県九頭竜川

参加選手
29名

審査方法
予選は各試合での早がけのポイント制で、ポイントの総合計で各組の順位を決定。同ポイントの場合は、アユの総匹数(オトリを含む)で、さらに同匹数の場合は抽選で上位を決定。決勝トーナメントはアユの総匹数(オトリを含む)で順位を決定。同匹数の場合は総重量の重い方を上位とする。

 

 

第45回G杯争奪全日本アユ釣り選手権(株式会社がまかつ主催・GAMAKATSU PTE LTD共催)が、2022年7月31日~8月2日に福井県九頭竜川で開催された。G杯全国大会決勝は、新型コロナ感染症による2年間の中止をはさんで3年ぶりということもあり競技会場は選手たちの活気で満ちあふれていた。九頭竜川は良型のアユが期待できる人気河川。荒々しい流れに潜む元気なアユが釣り人たちを魅了している。川況としては30cmほどの高水から平水に戻ったところで、アユが広範囲に散らばる傾向。アユが付く場所を見極める眼力やいかに広くアユの居場所を探るかが大きなテーマになった。

大会は、記録的な猛暑の中の開催になったが、全国各地で行われた予選の上位入賞者やシード選手、29人が参加し、感染対策はもちろん、熱中症対策などもしっかり行いながら熱戦が展開された。

 

7月31日は午後5時30分から選手が一堂に集い、選手向け大会ミーティングが行われ、予選リーグでの組み合わせが抽選された。

 

 

8月1日は午前6時半から予選リーグがスタート。10人ずつ3組(1組だけ9人)に分かれ、120分の試合が3戦行われた。それぞれの組の中で、ポイント上位の4人が決勝トーナメント・予選へと進むことになる。規定尾数をクリアすれば早く上がれるG杯特有ルールの「早がけ」は12匹(オトリ込み)に規定されたが、やはり釣り人が多い人気河川だけに「ここなら絶対掛かるはず!」と狙いを定めた場所でもなかなか思うようには掛からず、オトリを天然アユに変える最初の1匹を取るのに苦戦を強いられる場面も。ただしその中でも早々に12匹をクリアする選手もあり、渋いながらも白熱した戦いが繰り広げられた。

 

 

灼熱の予選リーグを勝ち上がり8月2日の決勝トーナメント・予選へと進んだのは、第42回大会準優勝の佐藤豊文選手、第43回大会優勝の楠本慎也選手、同準優勝の谷川光之選手、がまかつテスターの田嶋剛選手(シード)、神通川代表の谷口輝生選手、数井崇司選手、神流川代表の長井慎太郎選手と金子敏也選手、那珂川代表の浅見豊選手、日野川代表の石原瑞穂選手、仁淀川代表の川﨑智仁選手、三隈川代表の吉玉文彦選手の12人だ。
午前6時半から、6人づつ2組に分かれ90分での総匹数を競った。結果は、瀬を丹念に攻めた田嶋選手が18尾、川﨑選手が高知県の仁淀川スタイルで善戦して14尾釣るなど、熾烈な戦いで上位4人が準決勝へと進出した。

 


準決勝に進んだのは谷川選手、川﨑選手、田嶋選手、佐藤選手。谷川対川﨑、田嶋対佐藤の2組に分かれ、午前9時10分から90分間での総匹数を競った。舞台は「坂東島」。このエリアは、大きな石などが点在する流れの変化に富んだ釣り場。それぞれ自分の得意とする釣りスタイルが駆使できるポイントへと散らばった。
そんな中、チャラ瀬で本領を発揮したのは谷川選手。立て竿でゼロテンションでの泳がせ釣りを駆使し、トップの釣果となる10匹を釣り上げた。「ぼく、実は荒瀬の九頭竜川は苦手なんですよ。どちらかといえば、こんなチャラ瀬の方が得意なんです」と谷川選手。また得意の瀬を中心に攻めた田嶋選手は「アユが付く筋を見つけながら動いて動いて、という感じでしたね。目当ての筋で、ていねいに釣ってみても全然釣れなくて…。普段の九頭竜川だとバーッと掛かって1時間30尾くらいは出せるんですけどね」とコメント。それでも苦戦しつつ8匹を仕留め、決勝へと勝ち上がった。

 


決勝は谷川選手と田嶋剛選手の一騎打ち。
試合時間は前半60分、後半60分で、前半と後半で釣り場を交代し総匹数を競い、ホーンの合図とともにタイムラグなしで上下流のエリアを交代する。
決勝の舞台は「五松橋下流」。大小の石がごろごろある広々とした釣り場で、九頭竜川特有の押しの強い流れや緩急のある流れが多彩なポイントを作り出している。
決勝スタートのホーンが鳴ったのは12時15分。ポイント選択権を得て、先に釣り場へ入った田嶋選手は、強く流れる上流側の瀬を選択。谷川選手は比較的ゆったりした流れの下流側のトロ瀬に入る。開始からほどなくして両選手ともアユを掛け、オトリが天然アユに変わると3匹、4匹…7匹、8匹と数を伸ばしていく。
川を少しづつ下りながら、アユが付いているであろう瀬の強い流れの筋を丹念に攻めていく田嶋選手。「瀬が得意なので、まず瀬から入りました。アユが付いていればまず数が稼げるかなと考えましたね。谷川選手の動きも上流側からだと釣っている位置が把握しやすいですし」と試合後にコメントしている。
オトリアユの引き加減に特に気を配りながらじっくりていねいに攻める谷川選手。「狙ったのは深トロみたいな場所ですね。釣り方は引き釣り泳がせです。テンションを微妙にかけながら引いてくる、ソフトなボルダリング釣法になりますね」と同様にコメントしている。
しばらくは釣りつ釣られつの攻防が続く。両選手がアユを抜き上げるたび、ギャラリーからの歓声と拍手が広い河原に響き渡る。まさにどちらが勝つのか分からない展開だ。
勝敗を分けたのは終了15分ほど前だった。谷川選手は「ここならいけそう!」と目を付けた瀬の開き(落ち込み)に移動して、午後1時59分から2時14分にかけ4尾の連掛けを展開。結果、谷川選手が合計22匹を釣り熱戦を制した。田嶋選手は合計18尾で、何と、差はこの4尾であった。
今回、九頭竜川を熟知する田嶋選手は2キロ超えの釣果を出せるというイメージを描いており、そのジレンマとの闘いでもあった。「今まで、水に差し込んで立つ技術というのを極めてきて、普通の人が立っていられないところで掛けて、魚も取り込むということができるのですが、九頭竜川はそういう人がたくさんいますし、水が落ちているからアユも大分たたかれているなという感じがありました。そのため思ったよりも数が引き出せなかったですね」
谷川選手は、勝因がやはり最後の15分にあったと話す。「後半での瀬の中は、田嶋選手がある程度釣っていたし、釣り人も何人かいて、掛かりがよくありませんでした。全然入るところがなくて、どこに入っても一般の人の迷惑になってしまうような状況だったので、右往左往して…。もうだめかなと思って、下流の方を見ると、前半釣れていた筋の延長線上のポイントが空いていたんです。境界ぎりぎりの落ち込みのポイントですが、前半で釣っていたようなソフトなボルダリング釣法でやると、掛かり出しましたね」

数々の競技会での入賞経験を持つ谷川選手。今回のG杯優勝は戦歴をいっそう輝かせることになった。

 

■優勝者コメント

決勝では1匹目が早く釣れたので「これならいけるかな」と思いました。前半はテンションを微妙にかけた「引き釣り泳がせ」、いわゆる「ソフトなボルダリング釣法」で狙ってかなり釣れましたが、後半はペースが落ちて、最初はあまり釣れず、移動した瀬で前半と同じ釣りをして粘ることができました。G杯は3回目ですが、優勝できてよかったです。これからもがんばっていきたいですね。

 

歓喜のあまり思わずナンバーワンポーズをとる谷川選手

 


同時に、決勝会場のさらに下流でおこなわれた3位決定戦は、検量まで勝敗予想がつかないシーソーゲームだったが、荒瀬の流心などでは30㎝級も狙う、地元仁淀川の普段の釣りを我慢強く続けた川﨑選手が、佐藤選手を僅差で振り切り3位。念願の次大会へのシード権を得た。

 

 

九頭竜川は地元の仁淀川と似ているという3位の川﨑選手

 

カップが重い!! 左から準優勝の田嶋選手、優勝の谷川選手、3位の川﨑選手

決勝戦

順位ゼッケン氏名代表匹数重量(g)
優勝1谷川 光之シード221500
準優勝6田嶋 剛シード181175

三位決定戦

順位ゼッケン氏名代表匹数重量(g)
3位24川﨑 智仁仁淀川代表191451
4位14佐藤 豊文相模川代表161128

準決勝戦 結果

No.ゼッケン氏名代表匹数重量(g)結果
予選1組1位1谷川 光之シード10458
予選2組2位24谷川 光之仁淀川代表6278 
No.ゼッケン氏名代表匹数重量(g)結果
予選2組1位6田嶋 剛シード8517
予選1組2位14佐藤 豊文相模川代表5277 

5位~8位順位決定戦

順位ゼッケン氏名代表匹数重量(g)
5位21楠本 慎也シード161066
6位20金子 敏也神流川代表15951
7位4浅見 豊那珂川代表14921
8位25石原 瑞穂日野川代表9614
2長井 慎太郎神流川代表9520
19数井 崇司神通川代表5252
29谷口 輝生神通川代表4239
12吉玉 文彦三隈川代表4194

決勝トーナメント・予選1組

No.ゼッケン氏名代表匹数重量(g)結果
114佐藤 豊文相模川代表7405予選1組2位
21谷川 光之シード7442予選1組1位
321楠本 慎也シード3192
419数井 崇司神通川代表2
54浅見 豊那珂川代表5296
612吉玉 文彦三隈川代表6388

決勝トーナメント・予選2組

No.ゼッケン氏名代表匹数重量(g)結果
12長井 慎太郎神流川代表9534
225石原 瑞穂日野川代表5279
324川﨑 智仁仁淀川代表14851予選2組2位
46田嶋 剛シード181347予選2組1位
529谷口 輝生神通川代表3175
620金子 敏也神流川代表7486

 <決勝トーナメント競技説明>
・予選組は抽選により決定。6名2組の計12名により競技。各組上位2名の計4名が上位進出。
・準決勝の対戦カードは予選の結果によって決定。
・順位決定戦は、予選敗退者の計8名によって5~8位を決するために実施。
・予選、準決勝、順位決定戦は90分1試合。釣ったアユの匹数(オトリ込み)の多い方を勝者とする。
・匹数が同じ場合は、総重量(オトリ込み)の多い方を勝者とする。総重量も同じ場合は抽選にて勝者を決定する。
・決勝戦、三位決定戦は60分ハーフの前後半戦、合計120分1試合。釣ったアユの匹数(オトリ込み)の多い方を勝者とする。
・匹数が同じ場合は、総重量(オトリ込み)の多い方を勝者とする。総重量も同じ場合は抽選にて勝者を決定する。

予選 1組

No.氏名
(会場名)
第1試合第2試合第3試合最終結果順位
第1エリア第2エリア第3エリア
匹数得点匹数得点匹数得点
匹数

得点
1谷川 光之
(シード選手)
12101276630233
2長井 慎太郎
(神流川)
8712107727242
3吉玉 真悟
(三隈川)
44128432015
4浅見 豊
(那珂川)
119115662820 4
5石田 和夫
(小国川)
66129542319 
6田嶋 剛
(シード選手)
10812612103424 1
7廣岡 保貴
(安曇川)
6671982215 
8奥田 裕之
(日野川)
448232158 
9倉持 正道
(那珂川)
2011532167 
10宇津木 仁
(相模川)
441151292718 

予選 2組

No.氏名
(会場名)
第1試合第2試合第3試合最終結果順位
第1エリア第2エリア第3エリア
匹数得点匹数得点匹数得点
匹数

得点
11西部 春美
(長良川)
84561182418
12吉玉 文彦
(三隈川)
118569625204
13鈴木 一之
(興津川)
20332073
14佐藤 豊文
(相模川)
12912101183527 1
15土井 道夫
(仁淀川)
732084177 
16山田 和成
(長良川)
9633962115 
17沼沢 優
(小国川)
121056842520 
18長谷川 哲哉
(がまかつ推薦)
96129842919 
19数井 崇司
(神通川)
73781292620 3
20金子 敏也
(神流川)
1076712102824 2

予選 3組

No.氏名
(会場名)
第1試合第2試合第3試合最終結果順位
第1エリア第2エリア第3エリア
匹数得点匹数得点匹数得点
匹数

得点
21楠本 慎也
(シード選手)
10999121031281
22大坪 篤史
(長良川)
77561282421
23内田 宏
(相模川)
2035961411
24川﨑 智仁
(仁淀川)
1210771293126 2
25石原 瑞穂
(日野川)
9888962622 3
26増田 賢治
(興津川)
34351079 
27今野 秀幸
(後志利別川)
3435631212 
28欠席 
29谷口 輝生
(神通川)
771210742621 4
30谷合 克夫
(相模川)
55351171917 

※釣果のない場合は人数に関係なく、全員0ptとする。同匹数の場合は、同じ得点を与える。
※4試合の総得点で争い、上位4名が決勝トーナメント進出。
※同ポイントの場合は総匹数(オトリ込)が多い方を上位とする。同ポイント、同匹数の場合は抽選にて順位を決定する。
※敬称略

その他の会場の大会結果