第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権
開催日
2022年12月11日~12月13日
開催地
高知県 沖ノ島
参加選手
32名
審査方法
釣り上げた25㎝以上のグレの総重量にて決定
G杯全国大会はグレ釣りを愛する人にとっては夢の舞台であるが、2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で開催できず、3年ぶりに待望の開会となった。また、魚影が濃く大型グレが期待できる沖ノ島では鵜来島と合わせて過去5回全国大会を行っているが、9年ぶりにこの地に帰ってきたことになる。
12月11日(日)は発会式と組み合わせ抽選会、12日(月)に予選リーグと敢闘祭、そして13日に決勝トーナメントがそれぞれ行われ、全国から勝ち上がってきた選手、シード選手、がまかつ推選選手の合計32名が集結し熱戦が展開された。
「風の島へようこそ。沖ノ島、鵜来島をわれわれは風の島と呼んでいます。普段の釣りと違い荒磯の釣りの洗礼を受けるかもしれません。また、大会を行うと60cm近いグレを誰かが釣っています。そこも考慮に入れて頑張ってください」という田邊克彦大会副委員長の挨拶により大会の幕が開いた。
予選リーグは8名ずつ4組に分かれて4試合の変則リーグ戦で行われた。各組の最高勝ち数1位と2位の選手、合計8名が決勝トーナメントへ進出することになる。各試合は1時間40分。4試合で6時間超に及ぶ熾烈な戦いが繰り広げられた。
水温が高い影響もあってイサキやイスズミ、ヤズ(ブリの若魚)、ダツなどが盛んに食ってきたものの、日頃和歌山のすれっからしグレを手玉に取っている門野吉洋選手は総重量で6,790g、「FIFAワールドカップ(の日本戦)みたいに1尾釣られたら2尾釣る意気込みで頑張りたい」と話していた。さらに、林淳一選手が7,090gを記録。水温が22度近くあり、グレ釣りにはなかなか厳しい状況で釣果もあまり芳しくないという情報が入っていたので、果たしてどうなるかと心配されたものの大いに盛り上がった予選となった。
結果、各組の上位2名、門野吉洋選手、住田雄司選手、藤井夢人選手、荒川修一選手、岡部真明選手、林淳一選手、丸山晃選手、宮本勇樹選手の8名が決勝へと駒を進めた。ちなみに1位通過した藤井選手と丸山選手は3勝0敗1分け、門野選手と岡部選手は3勝1敗0分けという成績だった。「思いのほかうねりが残っていて、船長にも苦労をおかけし、選手にも時間的にタイトになり迷惑をかけたかもしれません。しかし、蓋を開けるとほとんどの人に釣果があって、昨日は厳しいんじゃないかと言っていましたが、みなさんよく釣っているなという感想です」と西森康博審査委員長は予選リーグを講評した。
決勝トーナメントは準々決勝、準決勝、決勝の順で行われた。試合時間は予選と同じ50分ハーフの1時間40分制。勝敗は25cm以上のグレの総重量で決定される。前日とは打って変わって北西風が吹き荒れる一日になり、強い風に道糸を取られたり、仕掛けのコントロールに苦労する選手が多々。一転して厳しい戦いとなった。ただそんな中でも門野選手は準々決勝で4尾を仕留め3,220gを記録した。
準決勝に勝ち上がったのは、丸山選手・門野選手、林選手・荒川選手の4名。
丸山選手・門野選手の対戦は「姫島」で行われた。食いが厳しい状況でお互いに苦戦しつつも、丸山選手が何とか280gを仕留め勝ち上がった。規定サイズの25cmをギリギリ1mm超えるサイズだったが、サラシが出て少し浅いポイントをグレがいないかと探ってみると「ポンときました」という貴重な1尾だった。
林選手・荒川選手は「養殖場1番」で対戦。荒川選手は00のウキを用いてPEラインに7mのロングハリスを直結し、繊細にしかもくまなく探りながらグレを引き出していく緻密な釣りを実践。グレが潜んでいると狙った潮筋をていねいに探り、じわりと仕掛けを張りながら流していき良型を連発した。林選手は後半に1尾仕留めたが、結果4,110g対990gで荒川選手が勝ち上がった。
決勝は同じ伊豆をホームとする丸山選手と荒川選手の一騎打ち。最後の舞台は「姫島の千畳」。これまで共に奮闘した多くの選手たちがギャラリーとして見守る中、午後12時15分に試合はスタートした。
海に向かって左側のポイントに陣取った荒川選手は準決勝と同じくPEラインでじわりと沈めていく釣り。左側の大きなサラシと右側から出る小さなサラシが合流するポイントを目安に流し込んでいく。何度か大きく竿を曲げるものの、上がってくるのはイサキとイスズミだった。
右側のポイントに入った丸山選手は仕掛けのなじみ具合に苦心し、何度かウキ交換を行いながらのスタート。ウキの浮力の限界を目指し調整をこまめに行っていく。ジンタンオモリの4、5号をハリ上20〜40cmに固定して、環付きウキを適時替えていくというもの。サシエがナチュラルに潮に乗りウキが入りやすくなるよう、00から0000浮力のウキを駆使して、グレのいるタナへと仕掛けをうまく入れていくことに執心する。ちなみに丸山選手もPEラインを使用。ショックリーダーとして1.75号のナイロンを10m取り、サルカンを付けてハリスは1.5号を2ヒロ〜2ヒロ半取るという仕掛けだ。
前半50分はお互いに釣果がなく、場所交代後も重苦しい空気が漂った。しかし、後半戦も押し詰まった午後1時20分に、丸山選手が大きく竿を曲げ良型グレを取り込んだ。釣り座の左沖にある磯の壁付近から払い出すサラシの先に潜っていく潮があり、その下層にグレが潜んでいると予測し攻めていたという。丸山選手は「アタリはラインが走りましたね。水中にシモリがあってその両側にはグレがいるはずだと考え攻めていました。釣れたタナは竿1本半くらい入っていたと思います。けっこう深いところを釣っていますが、シモリがあるため引っ張り合いをすると切れるリスクがあるので、ちょっと我慢して相手が動かなくなったときにゆっくりリールを巻きました」。
実は丸山選手、試合後に聞いたところ、前半の釣り座は潮がよくなく狙い所がむずかしい早々に諦め、交代後に賭けていたという。
まさにその思惑通りの1尾は990g。狙い場所を的確に見極めて自分の釣りを貫き通した丸山選手が、そのまま逃げ切り念願のG杯チャンピオンの称号を掴み取った。
同じ時間帯で、「姫島の幼稚園」で3位決定戦が行われ、林選手と門野選手が対戦。しかし両者とも釣果がなく、林選手は準決勝で990gを釣っていたので規定により第3位入賞となった。
優勝 丸山晃選手のコメント
「G杯は昭和の時代、35年前からお世話になっています。第10回大会から参加していて、この10年でG杯グレ全国大会出場は3回目になります。今回、念願の優勝という目標を達成し、大会要項小冊子の巻末にある歴代入賞者に自分の名前を載せることが夢だったのでよかったです。
ホームの伊豆ではきめ細かくあちこち探って釣っているのですが、沖ノ島でもそのスタイルで、とにかく1尾を釣るという釣りを実践しました。伊豆半島でもシモリなどがあれば、そういうところにはけっこうグレが付いているので1尾、2尾と拾えたらいいなと思いながら、ここでもやっていましたね」
準優勝 荒川修一選手のコメント
「今回は、普段伊豆でやっている自分の釣りスタイルで通しました。伊豆は魚影が濃いんですけど、なかなか釣れないんです。こっちみたいにバンバン浮いてこない。こちらから迎えに行ってあげないとダメなんです。そんな釣りで、準決勝は思った通りに釣れましたね。昨日今日で一番楽しかったです。風には苦戦して特に準々決勝ではずっと仕掛けを作り直していました。湘南の風と沖ノ島の風を合わせて嵐を巻き起こしてやろうと思っていましたけど…。次回は対策を練ってきます」
第3位 林淳一選手のコメント
「今日は強風で、オモリを重くした仕掛けでも風に流されるような状況で苦労しました。グレが浮いてこないので、スルスルの仕掛けで1ヒロ半くらいのタナからずっと入れていくという釣りを行っていましたが、深めのタナで魚が掛かるので切られたりしましたね。準決勝は苦戦しましたが、予選では開き直って、遠投やポイントローテをこまめに行う地元「若狭の釣り」をやったのがよかったのかなと思っています」
順位 | ゼッケン | 氏名 | 代表会場 |
---|---|---|---|
優勝 | 28 | 丸山 晃 | 中木予選代表 |
準優勝 | 9 | 荒川 修一 | 中木予選代表 |
第三位 | 18 | 林 淳一 | 若狭大島予選代表 |
決勝戦
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
28 | 丸山 晃 | 中木 | 990 | 1 | ◯ |
9 | 荒川 修一 | 中木 | 0 | 0 | ✕ |
3位決定戦
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
18 | 林 淳一 | 若狭大島 | 0 | 0 | ◯ ※ |
2 | 門野 吉洋 | 串本大島 | 0 | 0 | ✕ ※ |
※両者釣果無しの為準決勝の釣果にて勝敗を決定
準決勝1組
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
28 | 丸山 晃 | 中木 | 280 | 1 | ◯ |
2 | 門野 吉洋 | 串本大島 | 0 | 0 | ✕ |
準決勝2組
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
18 | 林 淳一 | 若狭大島 | 990 | 1 | ✕ |
9 | 荒川 修一 | 中木 | 4,110 | 4 | ◯ |
準々決勝1組
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
28 | 丸山 晃 | 中木 | 1,190 | 1 | ◯ |
15 | 藤井 夢人 | シード | 0 | 0 | ✕ |
準々決勝2組
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 門野 吉洋 | 串本大島 | 3,220 | 4 | ◯ |
23 | 岡部 真明 | 徳山 | 1,970 | 2 | ✕ |
準々決勝3組
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
32 | 宮本 勇樹 | 米水津Ⅱ | 0 | 0 | ✕ ※ |
18 | 林 淳一 | 若狭大島 | 0 | 0 | ◯ ※ |
※両者釣果無しの為ジャンケンにて勝敗を決定
準々決勝4組
ゼッケン | 氏名 | 代表会場 | 合計重量(kg) | 合計尾数 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
6 | 住田 雄司 | 甑島 | 0 | 0 | ✕ ※ |
9 | 荒川 修一 | 中木 | 0 | 0 | ◯ ※ |
※両者釣果無しの為ジャンケンにて勝敗を決定
その他の会場の大会結果
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 甑島会場
2022-11-21
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 串本大島会場
2022-11-10
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 米水津Ⅰ会場
2022-11-07
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 米水津Ⅱ会場
2022-11-07
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 那覇一文字会場
2022-10-31
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 日振島会場
2022-10-31
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 尾鷲会場
2022-10-24
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 中木会場
2022-10-17
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 入間会場
2022-10-17
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 徳山会場
2022-10-11
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 若狭大島会場
2022-10-03
-
第41回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権 地区予選 男鹿会場
2022-09-12