G杯 2019

第40回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権 大会結果報告

2019-01-29

大会結果

大会

第40回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権

主催

株式会社 がまかつ

開催日

2019年10月7日(月)

開催地

石川県かほく市 高松海岸

迷いなき遠投攻めで悲願の初度目の挑戦で掴んだ栄冠!

ブレることなく終始遠投攻めで確実に釣果を伸ばした小島健治選手(51・大磯海岸)が悲願のG杯を手にした。「第40回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」(主催・株式会社がまかつ)が10月6日、7日の両日、石川県かほく市の高松海岸で開催。新潟県野積海岸、静岡県福田海岸、徳島県小松海岸など全国5会場の予選を勝ち抜いた30選手(シード選手を含む)が参加しキスの総匹数を競った。
好天の7日午後零時半からの決勝戦は、予選を勝ち抜いた6選手で1時間半戦い、7色の遠投攻めを繰り返した小島選手が素バリなしで23匹釣り初優勝。全国大会6度目の挑戦で初の頂点に立った。2位は同初出場の小竹永泰選手(51・野積海岸)が3匹差で入り、3位には昨年優勝の米田和人選手(45・シード)が入り意地を見せた。

【ヒーロー 小島健治選手】

小島健治選手 顔写真

綿密に計算された作戦

迷いはなかった。決勝戦波立ちから「キスのいるライン」を読み7色フルスイングでいきなり3連。中には良型がしっかりハリを飲み込んでいる。
サラ場なら手前で拾って沖を攻めるところだが「(海が)荒れた前日、予選でも手前は釣れなかった」ことから「キスは奥だろう」と決勝進出と同時に遠投攻めを決めた。
仕掛もサラ場は「大きいのが来るかも」と最初は「A1 シロギスファイン3号」。1投目こそ良型が混じったが2投目は小型。そこで喉奥まで飲み込ませる本命の「ワカサギ袖2.5号」の10本バリ仕掛に交換し小バリ勝負に出た。
予選で「全部の魚がハリを飲み込んでいた」ので食い気はあると判断。エサのジャリメも尻尾の細い部分だけを使ってハリ先が少し出るようていねいに刺す。
「付けエサを外す、刺す時間を考えたら(仕掛を)替えた方が早く、新品だと掛かりもいい」と仕掛を1投ごとに交換した。1時間半で10投し素バリなしのパーフェクト釣果。手前を捨て仕掛の切り替え。緻密に計算された作戦が表彰台の真ん中に立たせた。

キス釣りは海が近かったこともあり10歳ごろから始めた。父親の吉行さん(83)に連れられ地元の大磯海岸へ通った。仕掛作り、釣り方など「基礎は父親に教えてもらったが、あとは仲間達と覚えていった」。

結婚後は一時、近場の釣りを楽しんでいたが、再び35歳ごろから地元で開催される競技会に参戦し「楽しさを知って」からトーナメンターに。2006年からG杯地区予選に挑戦。「同じ目標を持った仲間たちと技を磨き」同予選14度目、全国大会6度目の挑戦で価値あるG杯を得た。
「G杯は最高峰の大会ですから、すごくうれしいです」。涙をこらえ、わずかに表情を強ばらせ「戦い方、仕掛、エサの使い方」で勝ち取った優勝の感慨をかみしめていた。
(トーナメントで)勝つには「6、7割が準備。僕は8割ぐらいで残り2割がその時の状況で釣る」。仕掛は常に「小物用でワカサギ袖、秋田狐の2.5、3号、袖(金)の3号、都鈎3号、上はF1キス3.5号、A1 シロギスファイン3号から8号」まで揃えている。
大会は遠くへ投げるのも技術。「状況と自分の釣りが合えば連覇出来ると思う」と自信をのぞかせた。

【竿】遠投性能、コントロール性、感度抜群!
「絶対手放せない強い味方」
がま投 競技スペシャルII 35号 4.05m

この竿は「遠投ができる」ことから、迷わず選びました。私の地元の大磯海岸(神奈川)をはじめ遠投する釣り場へ釣行したときなどフィールドを選ばず、どこへ行っても威力を発揮してくれます。
遠投にはある程度の硬さが必要なのですが、この竿はそれを備えており、軽くて振り抜けも申し分ありません。すぐ手になじんできたし使いやすい竿です。それに従来の竿に比べコントロール性もアップしていると思います。小さな魚のアタリでも確実に伝えてくれる感じです。今回、優勝出来たことで、この先もトーナメントでは絶対手放せません。力強い味方です。

【ハリ】貫通性、キープ力、耐久性を兼ね備えた「細軸だが強く、刺さり抜群」
A1 シロギスファイン 3号
「ハリ先鋭く掛かり、キープ力抜群」
ワカサギ袖 2.5号

全体にキスのサイズは小さかったですが、大きいのが釣れてもいいように強いハリをと考えてキープ力のある「A1 シロギスファイン 3号」を選びました。細軸ですが砂底の引き釣りにも鈍ることはなく刺さりも抜群です。大事な決勝戦では予想通り1投目にデカイのが来ましたが「(シロギス)ファインなら大丈夫」と選んだ信頼に応えてくれました。
ただ2投目から小型が釣れてきたので、ハリを飲み込ませ奥に掛かるよう「ワカサギ袖2.5号」に替えました。ハリ先が鋭く海の魚相手でも掛かりの良さは抜群です。ハリ交換後も8投して1度もバラシはありませんでした。袖型だからキープ力もあり、抜き上げても平気だったと思います。

【小島選手 プロフィール】
小島健治(こじま・けんじ) 
1968年(昭和43年)5月5日生まれ、51歳。神奈川県大磯町在住。
会社員。キス釣り歴40年。ホームグラウンドは大磯海岸一帯。三栄舎、GFG関東神奈川支部所属。オフシーズンはルアーでヒラメ狙い。第36回G杯選手権(2015年・徳島県・小松海岸)3位入賞。

談話

2位・小竹永泰選手の話
休みごとに10回以上も下見をし、決勝戦は狙っていた所に入ることができました。8色投げ6色までの間を探り、アタリに関係なく回収する釣りを繰り返しました。
自分の考えていた通りの釣りができましたが途中、30分ほど釣れませんでした。釣れなくなる前に何か手を打たないといけませんね。
本当は頂点を取りたかったのですが米田(和人)さんに勝ったので満足です。同級生(同じ年生まれ)の小島さんに負けたのは悔しい。来年はリベンジします。
3位・米田和人選手の話
予選、決勝戦とも群れをとらえ連掛けを期待して目いっぱい投げて6.5色から6色サビいたところを決め打ちしました。魚が思ったより小さかったです。(高松海岸は)秋には来ない釣り場なので、魚に合うサイズのハリを持ってなくてうまく拾えませんでした。これ(小型キス)を釣るのはかなり難しいしちょっと無理だと思いました。
苦しい戦いでしたが何とか表彰台(3位入賞)をキープすることが出来ましたので十分です。来年はトップの座を取り返せるよう頑張ります。
矢野勝彦審査委員長の話
決勝戦は最後まで見応えのある面白い大会でした。
優勝された小島健治選手は実力のある選手です。決勝戦でもブレなく1投1投を大切に、エサ付けもていねいにしておられました。魚があまり釣れてないなか魚信を大切にしておられました。自分の釣りをしっかり通したことが優勝に結び付いたと思います。
2位の小竹永泰選手は悔しかったと思います。途中3回素バリを引くなど30分ほど釣れず、最後ももうひとつ釣果が伸びませんでした。シード権がありますので来年頑張ってください。
連覇を狙った3位の米田和人選手は、競技前から期待も高かっただけに残念でした。予選、決勝戦も遠投で攻めておられましたが地元の利を生かせなかったようです。来年に期待します。

決勝戦

順位 No. 氏名 地区 合計尾数 合計重量(g)
優勝 22 小島 健治 大磯海岸 23 173
準優勝 2 小竹 永泰 野積海岸 20 150
3位 7 米田 和人 シード選手 16 194
4位 28 長澤 昇 福田海岸 9 79
5位 14 知久馬 勉 小松海岸 9 64
6位 16 森 健治 高松海岸 5 27

予選結果

【A組】
No.氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計
尾数
合計
重量
順位
第1エリア第2エリア第3エリア
1鈴木 正数福田海岸98724  
2小竹 永泰野積海岸9131335 1
3村山 賢二福田海岸104822  
4上井 哲男野積海岸62715  
5丸井 一広小松海岸1449  
6谷本 栄一高松海岸910827 3
7米田 和人シード選手178833 2
8福田 真人小松海岸73818  
9鈴木 準大磯海岸241117  
10伊藤 貴之シード選手54312  
【B組】
No.氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計
尾数
合計
重量
順位
第2エリア第3エリア第1エリア
11村山 隆小松海岸66315  
12石黒 博士福田海岸97723  
13朝倉 孝志高松海岸47314  
14知久馬 勉小松海岸781328 1
15熊谷 義之大磯海岸63211  
16森 健治高松海岸761225 2
17山元 隆高松海岸64717  
18戸松 力野積海岸57214  
19高橋 克則福田海岸69924 3
20重永 誠小松海岸410620  
【C組】
No.氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計
尾数
合計
重量
順位
第3エリア第1エリア第2エリア
21髙橋 竜也大磯海岸114520  
22小島 健治大磯海岸1171129 2
23池田 直矢野積海岸610117  
24黒田 和比古大磯海岸810624  
25山田 直樹シード選手134522  
26吉原 克哉福田海岸127524  
27和田 昌孝野積海岸35412  
28長澤 昇福田海岸522633 1
29村上 光高松海岸127726 3
30石黒 元福田海岸0022  

※敬称略

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