G杯 2017

第38回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権 大会結果報告

2017-01-26

大会結果

大会

第38回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権

主催

株式会社 がまかつ

開催日

平成29年10月1日(日)、2日(月)

開催地

愛知県田原市 堀切海岸

荒れる堀切海岸を丁寧に探り逆転!
3年連続の表彰台で念願の初V!

全国大会3年連続出場の渡辺慎二選手(54・シード)が念願の表彰台の頂点に立った。
「第38回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」(主催・株式会社がまかつ)が10月1日、2日に愛知県田原市の堀切海岸で開催された。新潟・野積海岸、石川・高松海岸、島根・尾浜海岸、徳島・小松海岸など全国6会場の予選勝ち上がりの30選手(シード選手を含む)が参加、釣ったキスの総匹数を競った。2日午後からの決勝戦は前線の通過に伴う強風と雨に加え波の高い悪条件下で1時間半戦い、仕掛けをしっかり落ち着かせて食いを誘った渡辺選手が6匹釣り優勝。2位には1匹差でベテラン本間剛選手(49・高松海岸)が、3位にはさらに1匹差で初出場の駒澤之也選手(39・野積海岸)が入った。昨年優勝の早坂直人選手(54・シード)は予選1、2回戦で釣果が伸びず敗れた。

【ヒーロー 渡辺慎二選手】

渡辺慎二選手 顔写真

妻の勧めでリハビリを兼ねて始めた投げ釣り

決勝戦終了と同時に渡辺選手に贈られた温かい拍手。笑顔で小さいながらもはっきりした声で「やった!」と、胸の前で遠慮がちに両手でガッツポーズ。喜びを精いっぱい表した。
表彰台ではあふれ出そうになる涙を必死でこらえ、唇を真一文字に結ぶ。全国大会初出場の一昨年(徳島・小松海岸)2位、昨年(同)は3位。いずれも「自信のある遠投」で連続で勝ち取った表彰台だ。昨年の表彰後、ランクを下げた悔しさもあって「来年は残るひとつ(優勝)を埋めるよう自分の責任として頑張る」と言い切った言葉を今回、見事に実践してみせた。
キス釣り歴は12年。それまでは磯の上物狙いで「投げ釣りはしたことがなかった」。2005年、体調を崩して入院。妻の美登里さんから「磯は心配。近くにいい砂浜があるからリハビリを兼ねて」と勧められるままに友人達に教えを請い「一から覚えていった」。
今大会の前日、孫の運動会があったがやむなく欠席した。夜には「じいじい がんばれ」の動画が届いた。2人の孫の力強い応援を受け、決勝戦は南端で3色から「仕掛けが落ち着く所を探った」が流されるばかりで、10分で見切りを付け東側へ移動。「まずいと思った」が丁寧に探り強気の攻めで逆転。「今まで頑張ってきてよかったです。妻や家族、友人らの支えがあってこそ優勝出来たのですから」。感謝の言葉は忘れなかった。
渡辺選手は大会前には必ずイメージトレーニングをして試合に臨む。太平洋側と日本海側では潮の流れ、勢い、押し、波のストロークが違う。「魚がどう動いてどう食ってくるのかイメージを膨らませる。イメージ出来なかったら次に打つ手がなくなる」。そして「今日は数釣りをしたい」「遠投でどれだけ拾えるか」などテーマも設けて竿を出している。
当然、来年も「1番高い所へ上がりたいです」。そのためには「他の人より劣っている分を理解していかないと」。渡辺選手のイメージがどのように膨らみ、描かれるのか来年が楽しみではある。

【竿】軽くて操作性抜群!
「この1本があればどんな釣り方も出来る」
がま投 アルテイシア 30号 4.05m

新しい竿で、軽くて操作性がいいのが気に入っています。バット部が硬くてしっかりしているから遠投も十分出来ます。軽ければ軽いほどアタリも出やすく、持ち重りもしないので使いやすさは抜群です。「こんな軽い竿が作れるのならもっと早く作ってよ」と言いたくなるような竿です。
特にサビキ方も手に持つ時や地面に着けた場合などどんな釣り方にも対応してくれます。少し高価格ですが、場所を選ばず幅広く選択できることから、いわばオールマイティーに使える竿といえます。この1本があればどんな釣り方も出来る面白さもあり、もう手放せません。

【ハリ】ほどよい「ヒネリ」が吸い込みやすく外れにくい
F1キス 4号

このハリは、私にとって「非常用」時に使うハリです。今回の決勝戦のように海が荒れた時やうねりが高い時など仕掛けを落ち着かせたいときには必ず使います。
軸が太いので他のハリと比べて自重があり、ヒネリが入っているので魚が1度くわえたら外れにくいのです。おそらくエサを吸い込んだら掛かって外れにくい構造になっているのでしょう。決勝戦は重い大きなハリを使い、エサも大きくしたかったのですが、流されると意味がないので4号で通しました。
この日も予選のときは海が静かでポイントに収まることで「手返しキス4号」を使いましたが、普段は他に「白狐」「A1 シロギスファイン」などをいろいろ使います。

【渡辺選手 プロフィール】
渡辺慎二(わたなべ・しんじ)
1962年(昭和37年)10月13日生まれ、54歳。福岡県宗像市在住。
システムエンジニア。キス釣り歴12年。ホームグラウンドは福岡県の新松原海岸。TEAM SESSYA所属。第35回大会2位入賞、第36回大会3位入賞。

談話

2位・本間剛選手の話
全国大会7回目で初の入賞です。決勝戦は4色投げて3色に入るところで食ったのでその付近を重点的に攻めて釣果を得ました。下見では近場で釣れていたのですが、大会当日は全く違っていました。全体に魚影が薄かったので、魚へのアピール度を高めるため12本バリ(4m)の仕掛けを使い、エサも太めのチロリを選んだのが結果につながったのだと思います。来年もいい結果が残せるように頑張ります。
3位・駒澤之也選手の話
まさか表彰台に上がれるとは思ってもいませんでした。予選に初めて挑戦し、全国大会に出て3位に入れたので本当にうれしいです。決勝戦は3色を切ったあたりに魚がいたので、3色少し先から2色までを決め打ちして、繰り返し攻めました。エサはササ濁りだったのでアオイソメをメインに使いました。ハリのチ元には目立つよう蛍光ピンクと金ビーズを付けてアピールしたのが好結果につながったと思います。来年も頑張ります。
矢野勝彦審査委員長の話
エリアによる差はなかったですし、魚にも食い気はありましたが、悪天候でキスが怖じけづいた状況でした。しかも一昨日、昨日は手前で釣れていましたが、この日は波と風と潮の流れで大きく状況が変わり、手前は釣りになりませんでした。そうしたなか、魚のアタリがあって、そこで仕掛けを止めて待つか1回ずつ取り込むのかその選択が勝負の分かれ目だったと思います。
優勝された渡辺慎二選手は実力がありますし、2位の本間剛選手は大会の常連で初の表彰台は見事でした。3位の駒澤之也選手はエサにアオイソメを使っていました。濁りや魚にエサを見つけやすいことを考慮したものでしょう。今後も選手にはいろいろなことを試してほしいし、もっと若い人たちにG杯に挑戦していただきたいです。

決勝戦

順位ゼッケン氏名地区合計尾数合計重量(g)
優勝17渡辺 慎二シード6194
準優勝3本間 剛高松海岸5174
3位18駒澤 之也野積海岸4122
4位24真木 志郎福田海岸361
5位2米田 和人高松海岸141
6位29高橋 明男野積海岸132

予選結果

【A組】
ゼッ
ケン
氏名 代表会場 1回戦 2回戦 3回戦 合計
尾数
合計
重量
順位
第1エリア 第2エリア 第3エリア
1 長谷川 悟 福田海岸 0 2 6 8    
2 米田 和人 高松海岸 5 3 5 13   1
3 本間 剛 高松海岸 1 6 3 10   2
4 安部 崇英 尾浜海岸 1 0 2 3    
5 鈴木 剛 シード 2 4 1 7    
6 長澤 昇 大磯海岸 0 5 4 9    
7 瓜生 浩二 尾浜海岸 4 3 2 9    
8 経ヶ阪 俊彦 大磯海岸 1 1 3 5    
9 竹田 剛 小松海岸 2 1 4 7    
10 健代 利夫 尾浜海岸 2 2 3 7    
【B組】
ゼッ
ケン
氏名 代表会場 1回戦 2回戦 3回戦 合計
尾数
合計
重量
順位
第2エリア 第3エリア 第1エリア
11 酒井 秀士 大磯海岸 0 2 0 2    
12 浦上 昌 福田海岸 0 5 1 6    
13 小山 純 野積海岸 0 6 0 6    
14 江縁 和人 高松海岸 1 3 0 4    
15 角張 裕之 野積海岸 0 2 2 4    
16 横山 武 小松海岸 2 0 3 5    
17 渡辺 慎二 シード 2 5 2 9   1
18 駒澤 之也 野積海岸 2 4 2 8   2
19 梯 和也 尾浜海岸 0 2 1 3    
20 松田 義征 大磯海岸 0 2 3 5    
【C組】
ゼッ
ケン
氏名 代表会場 1回戦 2回戦 3回戦 合計
尾数
合計
重量
順位
第3エリア 第1エリア 第2エリア
21 斎 亘 大磯海岸 0 1 3 4    
22 山﨑 豊 大磯海岸    
23 森 英樹 福田海岸 1 1 2 4    
24 真木 志郎 福田海岸 4 1 4 9 293 2
25 大野 正浩 福田海岸 1 3 5 9 271  
26 伊藤 貴之 野積海岸 1 2 2 5    
27 福永 正 小松海岸 2 4 1 7    
28 早坂 直人 シード 1 1 3 5    
29 高橋 明男 野積海岸 4 1 6 11   1
30 上井 哲男 高松海岸 0 5 4 9 288  

※敬称略

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