GAMAKATSU FISHING GEAR CATALOG 2025_鈎カタログ
51/127

定すると「鈎は底を掻きにくいシワリ型がよい」という泳がせ名手も少なくないが、Cueは早掛け型ではあるものの高硬度なG-HARD採用により鈎先が丈夫でちょっとやそっと石を掻いたところで鈍りにくいと好評だった。 鮎鈎の進化や鮎を取り巻く河川環境が年々変化していく中でCueは2020年に廃番となる。以後5年の間に「スタンダード」と謳えるような早掛け型は出ておらず、空位を埋められるのはCueをおいてほかにはないと開発されたのが、「Cue SPE CIAL」である。 オリジナルから形状を変え、鈎先・軸長ともにわずかに短くして現在の河川にベストマッチな形状にたどり着いた。鈎先を短くすればフトコロの広さにつながり、鈎先が魚体に接触する機会が増える。つまり前作よりもさらなる速攻性を備えている。加えて廣岡は掛かり鮎の保持力も高まったと話す。「フトコロと軸の長さのバランスがよいせいか、前のCueよりもバレにくくなったと感じています」 鈎の全長が短くなり、自重が軽くなったのも進化点だ。オトリの泳ぎが軽やかになる。ただし、フトコロが広いと伸びやたわみが発生しやすく、鮎が掛かった衝撃で瞬間的に変形しやすくもなる。その難題をクリアできたのはG-HARD Ⅴ2の恩恵である。早掛け性能も保持力もアップとなればトーナメンターの次世代スタンダードフックになるのは間違いない。2024年シーズンの日高川龍神は8月下旬から良型に沸いた。この日はトロ場の上飛ばしでなければ掛からない場面もあった。トロ場はオトリが弱ると鈎が川底を掻きやすくなるが、廣岡はハリスを短くして対応し背掛かり鮎を連発。あらゆる鮎が触れ掛かりする先短・短軸設計! しかも前作よりバレにくい!! 「Cue」は高強度・高硬度なG-HARDを採用した早掛け鈎だ。全国のトーナメンターが常用してきた名鈎中の名鈎である。2000年に誕生して販売期間は20年。先短・短軸の攻撃的な形状は「近づいた鮎がまるで吸い付くように掛かる」と人気を博した。 日高川龍神の名手で競技会では20代から活躍している廣岡保貴もCueを長年使い込んできたひとりである。「飛び付き鮎を取るならばCueに匹敵する鈎はなかったです。地元でも使っていましたが凄さを実感したのは長良川郡上が会場だった時のG杯全国大会です。追い気が強い弱いにかかわらず野鮎が触れた瞬間に掛かる感じでした」 と振り返る。廣岡は泳がせ釣りを得意とする。トロ場や流れの緩い釣り場も想225

元のページ  ../index.html#51

このブックを見る