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がまかつフィールドテスターたちが証明した
気鋭の実釣力とは…
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競技系オールラウンダーロッド
チタン穂先で“感度”抜群
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硬中硬8.5m
廣岡保貴in 和歌山県日高川
トーナメントの第一線で活躍する泳がせ釣り派の最右翼。和歌山県龍神村で生まれ育ち、小学5年生で鮎釣りを始める。中学時代に同郷の名手の影響で泳がせ釣りに開眼。
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引抜早瀬8.8m
北村憲一in 高知県仁淀川
小さい頃から釣りとふれあい、地元の高知県四万十川で鮎釣りに出合い腕を磨く。師匠は松田稔。太く荒く強い流れのなかの野鮎を愛するナイスガイ。繊細な泳がせ釣りも得意。高知県高岡郡在住。
オトリが追われる時間を
長く演出してくれるロッド
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硬中硬8.5m
reported by
廣岡保貴
yasutaka hirooka
in 和歌山県日高川
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掛けることを重視することで、追わない野鮎を掛けにいける
引抜早瀬と比較して抜くまでにプラス10秒かかったとしても、それが関係ないくらい「竿が掛けてくれる」という。バレも少ないのが強みだ
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もとより泳がせ釣りが得意な調子。これで瀬釣りもこなせるのだから、トーナメントで強力な武器となるだろう
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「自分が今まで釣ってきたイメージとは全然違う入り方をオトリがする」という。これまでにないアクションを竿が勝手におこなってくれる
前作の競技GTI 極泳がせのプロトを手にしたとき、廣岡保貴は身体に電流が走ったかのような強烈な印象を受けたという。
「がま鮎で一番軟らかい竿というふれこみやったんですけど、使ったときに考え方が変わりましたね。」
極泳がせは胴調子で軟らかく、掛けることを重視した竿だ。軽くて、曲がって、掛けたアユがバレない。その特化した性能はほかのどんな竿にも負けないが、逆に言えば極端な調子だからこそ競技会を目指すアユ師の間で人気が高かった。
「曲がる竿の利点はまず細糸が使えること。次に小さなアユを瀬で釣るときにも流れの中にねじ込める。竿が粘ってくれる」
盛期の18cm以上ばかり釣れるようなときは竿の本領が発揮される条件だが、現実はそんな条件ばかりではない。瀬の中で小さなオトリを使わなければいけないこともある。廣岡はだからこそ軟らかい竿に注目するのだ。
個性的かつ扱いやすい調子へ
そんな極泳がせの血統を受け継ぎながら、高強度高弾性素材のM40Xを採用し、より繊細なテクノチタントップを装備して生まれ変わったのが『がま鮎 競技GTI・Ⅱ 硬中硬8.5m』である。
最大の特徴は極泳がせの良さを残しつつ、対応鮎サイズを拡大し様々な状況に幅広く対応できるようにしたことだ。最前線で戦うトーナメンターを満足させながら、より扱いやすい調子に仕上がっている。
「条件によって野鮎がいてもすぐに追わない状況というのが度々ある。そのようなときほど違ってきます。強めにテンションを掛けたときにも、オトリが浮かずに変わった動きを演出できる。その動きが誘いとなり追わなかった野鮎がバーンと追ってくるんですよ。誘いの幅が広がるというか。竿の力を借りていろいろなアクションができるから、掛かる確率はだいぶ上がりました」
パワーランクは極泳がせのワンランク上。強すぎず弱すぎずというバランスで、意外にも流れの速い瀬で、そのよさが分かりやすいという。
「引っ張ったときに竿は曲がるけど、オトリは流れになじんだままイヤイヤしない。だから追われやすい、追わせやすい。そういう時間を長く作れる。オトリが弱ったときほど差がつきます。泳がせでカミ飛ばしするときも、オトリが動かなくなったときに少しだけ鼻を持ち上げる感覚がつかみやすい。竿が硬いと戻ってきたりするけど、その微妙な調節がやりやすいんですよ」
硬い竿と比較して抜くまでに少し時間がかかってもトータル的に釣果は伸びる。何よりも釣っていて楽しいと廣岡は言う。どうやら次の夏も、軟らかい竿に魅了され続けることになりそうだ。
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「自分の腕以上の釣技を出せる」。廣岡にとって手放せない竿が生まれた
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ただでさえ軽いコンセプト。8.5mとなり、軽快感はさらに増した
穂先までしなやかでムチのよう
曲がってもしっかり感度がある
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曲がる調子に繊細なテクノチタントップの組み合わせは意外にも高感度。石に掛け鈎が当たっている感覚や、サカサが切れた瞬間も把握できる
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初夏の幅広のアユをキャッチして笑顔がこぼれる
手返しよく
テンポよく掛けられる
高い操作性で粘り調子
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引抜早瀬8.8m
reported by
北村憲一
kenichi kitamura
in 高知県四万十川
「大きい鮎を掛けても
よく粘ってくれるので安心です」
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流れの向こうに魚が走ったときにも、
そこで止めて体勢を立て直すことが容易にできる
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思い通りに操作できる8.8mモデル。9mとは20cmの違いだが操作性、持ち重り感などが違ってくる
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チタン穂先に感じるアタリ。
「前作よりも感度は絶対上がっていると思います」
残暑が厳しい四万十川の河原。北村の手には自身が監修した競技GTI・Ⅱ 引抜早瀬8.8mが握られていた。
「競技に使う竿というのはオールマイティーに使えないとダメだと思っています。いろいろな状況、いろいろな河川で、誰にでも扱える竿。それを作るというのがコンセプト。今回もその通りのものになっていると思います」。初心者から中上級者まで幅広く使える竿なのだが、北村的には上級者でもずっと使える納得ゆく1本に仕上がっているという。
「8.8mという長さは、今8.5mなどの短かい竿が流行なのですが、それに抵抗のある人でも、また逆に9mじゃないとダメという人にも使ってもらいたいですね。9mと違う点は、8.8mはより胴調子。胴に少し乗るようなタイプに仕上げています。また9mから20cm短いだけですが、オトリ操作の精度や鮎が掛かってからの対応のしやすさがぜんぜん違うんです。ただ硬いだけの竿だと、体勢を立て直すまでに鮎に付いて下がったり、強引に抜くしかない。しかし、この竿では胴に乗ってから、例えば流れの向こうに魚が走ったときにも、そこで止めて体勢を立て直すことができます」
小型をオトリにしても思い通りに操作
この日の実釣では25、26cmの野鮎がしばしば掛かった。そんなサイズでも、胴に乗せて野鮎を止め、しっかり浮かせてくる粘りがあるのも実感させてくれた。
「基本的には22、23cmまでの鮎を手返しよくテンポよく掛けていく、こちらから魚を操作して掛けていくという竿ですが、不意に大型がきても十分対応できますね。瀬釣りで25、6cmの鮎をオトリにして最大サイズは27cmまで掛かりました。普通なら下って取り込みするところですが、この竿ならしっかりためるとそんなサイズでも対応ができるんです」
またこの日は12、13cmの鮎も掛かったが、それをオトリにしても的確な操作ができた。「瀬をメインに筋をずっと釣っていたんですけど、自分の思う通りに鮎を引いてこれました。小さい鮎や少し弱いオトリでも、引いているときに狙った筋でポッと浮いてしまうこともありませんでしたね。全体のバランスとしてもいい仕上がりになっていると思います」。
「8.8mは先代のGTIにはなかった長さですが、すごく操作性も良くて、小さな鮎から大鮎までしっかり対応できます。本当にオールマイティに使える最高の竿に仕上がっています」。
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追従性の高さ"
大小の鮎に合わせて曲がる
追従性の高さ
引きに対してスムーズに曲がり込むので小型でも大型でもしっかり対応してくれる竿になっている
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23、24cmをテンポよく掛けて抜いていく。そんな釣りには最適な竿だ
走る鮎を止め
浮かせてくる
粘りを実感
25、26cmもよく掛かった。
胴に乗って魚を止め、浮かせてくる粘りを実感
