南康史(みなみ・やすし)
1969年生まれ。G杯チヌで前人未到のV4を成し遂げたトップトーナメンター。ホームグラウンドは岡山県と広島県。ゼロウキを用いたスルスル仕掛けが武器。がまかつフィールドテスター。
並継に匹敵するテレスコの使用感
今回、チヌ師でもある南康史さんが瀬戸内のエギングに持ち込んだロッドはがまかつの『がま磯 EG-RIDER』(イージーライダー)。ロッドケースに1本、忍ばせておきたくなるテレスコピックロッド(振り出し竿)だ。
「見た目、がま磯と同じカラーリングとデザインで、仕舞寸法が短くて携行性も高くていいですね。朝は最高の時合いなんで、早くエギを投げたいじゃないですか。振り出しだと準備も早いし、それがいい。そして、かっこいい!」
磯スタイルに馴染む、がまのエギングロッド。では、使い心地はどうだろうか?
「僕は、これまでラグゼの『イージーワンS86M-F』(2ピースのエギングロッド)を使ってたんです。普通、振り出し竿って太くなるんですけど、それがないですね。並継の竿と変わらない細さと軽さで驚きです。だから、キャストの時もシャクる時もシャープで何の違和感も感じない。これまでのエギングロッドから普通にこれに入っていけますね」
実は、今回の釣行で初めて『イージーライダー』を手にした南さんだが、ファーストキャストから違和感を感じることなくすぐに手に馴染んだようだ。そして、様々なエギとアクションでロッドを感じてみる。
「僕は基本的に3号の『エヴォリッジ』を使うんですけど、すごくマッチしますね。どうしても、これまで使ってた『イージーワン』と比べちゃいますけど、『イージーワン』と比べて全体的に柔軟性があるんで2.5号も3.5号も、しっかりブランクが曲がってくれて飛距離が出る。しかもシャクった後、ブレずに戻りが速いんで、ラインメンディングやエギ自体のコントロールもやりやすいし感度も高い。ありきたりな言葉になっちゃいますけど、クセのない誰でも使いやすい、しかも、状況を選ばず、春でも秋でも一年中、使えるロッドだと思います。」
適度に柔らかく適度に張りがある
スポット狙いのショートキャストから沖の潮目狙いのロングキャストまで、『イージーライダー』の軽さとダルさのない適度なアクションで、春イカの回遊を待つ、長時間のエギングでも集中することができた。
「今回は3.5号もローテーションに組み込んでやってみましたけど、柔らかめっていってもバットがしっかりしてるんで、沖までエギを飛ばしてくれる。そして、沖でしっかりエギを動かしてくれているのが伝わってきましたね。柔らかめではあるけれどいい感じに張りがあってパワーがあるんで、長時間使ってても疲れにくい汎用性の高いエギングロッドに仕上がってますね。僕は潮に絡んだポイントを釣ることが好きなんですけど、その際、流れに乗せてドリフトさせる時は感度が必要だし、シャクったりするときって、結構、ロッドにもパワーがいる。柔らかいだけの竿だと、コントロールできないんですけど、『イージーライダー』はそれができるんで、バランスの取れたいいロッドだと思います」
流れの釣りがイメージ通りにできるロッドなら、それは状況を選ばずに使えるバーサタイルロッドと言える。かといって、パワーロッドではない柔軟性が使いやすさを生んでいる。これ1本で波止から磯まで、そして、2.5号から3.5号まで使える汎用性の高さゆえに常にエギングをしたくなってしまいそうだ。