久保野孝太郎(くぼの・こうたろう)
1969 年生まれ。がまかつフィールドテスター。関東勢初のG 杯グレ優勝を果たしたほか、G 杯チヌでも準優勝とトーナメントシーンで輝かしい戦績を残し、全国の磯を舞台に活躍。
ハリの違いを理解するには何から知ればいい?
部位の名称と役割を知るのが最初の一歩
ほかの道具と同じように、ハリも改良が続けられた結果、ひと昔前に比べて種類が飛躍的に増えました。しかし「どうしてこの形なのか」ということを理解していないと、その能力を最大限に活かすことはできません。まずは、下の図を参考にして各部の名称と働きを確認しましょう。そのうえで、選ぶ際の重要なポイントを部分別に見ていきます。
①軸の長さ
ハリ先の角度が同角度であれば、軸が長いほど魚にのまれにくくなります。また、軸の太さが同径であれば、長いほど重く、短いほど軽くなります。
②軸の太さ
軸の太さは強度と重さに影響します。同形状なら太軸のハリほど重く・強く、細くなるほど軽く・弱くなります。
③ハリ先の角度
ハリ先は外を向くほど立ち(刺さり)やすく、内に向いていれば立ちにくくなります。ただし、内向きのハリはのまれた場合に魚の口の中ではハリ先が立たず、口元で掛かるという効果が期待できます。これについては尾長グレの頁で詳しく解説しましょう。
④ヒネリ
ハリを正面から見た場合に、軸とハリ先のシルエットがピッタリ重ならず、方向がズレている形状のハリを「ヒネリが入っている」と表現します。主にチヌバリに用いられます。
ヒネリが入った形状のハリとヒネリなしのストレート形状のハリを比較するとその違いは歴然。このわずかな角度の違いがハリ先の立ちやすさに影響する
平たい板や台の上に置いてもヒネリの有無はわかりやすい。ヒネリが入ったハリはハリ先やフトコロ部分が浮くのに対し、ヒネリなしのハリは面に対してピタッと接地する
市販されているハリのパッケージには、様々な機能や特徴が表記されている。とはいえ、釣り人に基本的な知識がないとそのハリの性格を読み取ることもできないので、まずは部位の名称と役割を覚えよう
昔は金や銀(白)、黒くらいしか選択肢がなかったハリの色。現在は付けエサに合わせたり、海中で目立ちにくさを企図したピンクや茶、イエローなどバリエーションが豊かになった。色付きのハリはフグなどのエサ取りの存在を把握できるメリットもあり、愛用者が多い
軸に小さな突起を設けた「ケン付き」のハリは遠投時にエサ落ちしにくいのが特徴
この記事は磯・投げ情報9月号の記事を再編集し掲載しております。